和温療法学会誌
Online ISSN : 2760-3393
和温療法のさらなる発展に向けて
村松 俊裕
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2025 年 3 巻 p. 2

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和温療法は心不全に大変効果があり、他にも閉塞性動脈硬化症、慢性疲労症候群、繊維筋痛症、認知症や COVID 罹患後症状など多彩な疾患に対する効果が報告されています。私たちの施設では 2009年から和温療法を導入、初期に NYHA Ⅲ以上、平均年齢58±16才、平均左室駆出率22±11% の24名(男性16名、女性8名)に対する効果を検討したところ、短期(1-2クール)で心機能や左室容量には明らかな変化を認めませんでしたが BNP値は947.2から607pg/ml と低下、カテコラミン持続静注中の重症患者9名も含まれていましたが重篤な合併症も認めませんでした。一方、外来で心不全患者に週2回の和温療法を6か月以上施行したところ、非施行群と比較し再入院が著減しました。診療ガイドラインに基づく多くの標準治療薬のデータも主評価項目では心不全再入院の低下、副次評価項目は BNP(NT-proBNP)値低下の有意差で評価されており、和温療法も同等効果があると考えます。しかし大規模な RCT をもとに診療ガイドラインは定められるため和温療法に関連する学術論文や学会発表は少なくデータ不足が否めず、今回の心不全診療ガイドラインでは、第11章疾病管理の4.4.1 早期心臓リハビリテーション・早期運動(Early mobilization):急性期~前期回復期の項に追記となっています。現状、DPC に基づく理学療法治療体系は明らかに運動療法にシフトしています。加えて和温療法の診療報酬の点数、それと比較した高額な機器も一因となり和温療法は全国的普及に至ってはいません。

和温療法を普及させ次世代に繋いでいくためには、エビデンス構築のため地道に論文や学会発表を続けて、まずは各診療報酬に乗せて診療ガイドラインに和温療法が明記されることが必要と考えます。最近は患者さんの声が反映される時代であり、和温療法で救われたと考える患者さん、ご家族からの和温療法への声援も私たち活動を大いに勇気付けるものと思います。またエビデンス構築が難しく、未だ治療法が確立していない難治症例に和温療法が著効したという報告も大きなインパクトになるものと思います。同時に多くの学会員を増やしていくことも必要で、本治療がガイドライン上記載に乏しいことや診療報酬が低いなど関心を持たれない理由は多々ありますが、まずは和温療法を広く世の中に周知させる活動を期待します。

 
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