インターネット管理は中国政府が高度に重視している領域である。本文は中国政府のインターネット管理の基本制度に基づき,インターネット管理下における政府権力と国民の個人のインターネット権益の状況を考察した。そして中国政府が行った一連の法制度整備により,政府のインターネット管理の能力は最大限に拡大した代わりに国民個人の電子情報活動の権益が縮小されたことが分かった。これら制度の整備は,一般的な社会管理の意義をもつだけでなく,中国政府の情報通信技術の応用に対する選択にも重大な影響を与えている。本文では,政府のインターネット権力が大幅に増大する一方,国民個人の電子情報活動の権益への充分な保障が相対的に難しくなる状況下,中国政府の情報化政策は技術発展と社会全般の発展とのバランスを考慮し,技術の硬直化が社会進歩に与える不利な影響を防止することが必要であると考える。