主催: Webインテリジェンスとインタラクション研究会
会議名: WI2研究会
回次: 18
開催地: 高知工科大学/オンライン
開催日: 2022/11/25 - 2022/11/26
p. 35-42
論文推薦システムなどでは,論文間の引用関係を表現した引用ネットワークが用いられている.しかし,論文出版には時間がかかるため引用関係が表れるまで時間がかかり,また研究者による評価しか与えられないという問題点がある.ソーシャルメディアなどでの言及量をもとにした論文の社会的インパクトを測るオルトメトリクスは,これらの問題点を解消するが,オルトメトリクスで注目されるTwitter言及をもとに作成した論文間の関係と,一般に論文間の関係として用いられる引用の関係の違いは調査されていない.本論文ではTwitter言及をもとにした関係と引用の関係とのネットワーク上の近傍論文をカテゴリと投稿年などの観点で比べる.その結果,引用関係の方が言及類似度よりも,学術的なカテゴリが同じ論文が近くに存在することがわかった.引用のネットワークは,研究者による研究発展の流れの情報を含むため同じ学術的なカテゴリを持つ論文が近くなり,言及類似度のネットワークはユーザの興味の情報を含むため,同じ学術的なカテゴリの論文が引用ほど近くならないと考えられる.