西部造船会々報
第109回西部造船会例会(平成16年度秋季造船三学会連合大会)(西部造船会々報第109号)
会議情報

画像処理を利用した海洋構造物模型の波浪中運動計測
(その2 運動計測範囲の拡張と3次元運動計測)
*中村 昌彦梶原 宏之眞鍋 崇寛
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 000010

詳細
抄録

係留された海洋構造物の模型実験を行う場合、特にブイのように小型の構造物の場合は、係留ラインに比較して構造物の大きさが小さいために、模型の排水量が小さくなり、波浪中における運動を精度良く計測することが困難であった。 浮体模型の運動計測に従来使用されてきたポテンショメータを用いた機械式の運動計測装置は機械部の摩擦、可動部分の質量が大きく、小型模型、半潜水式海洋構造物模型のように流体力が小さい場合には計測精度に問題がある上、極小模型に対しては使用不可能なことが多い。  そこで前報では低コストの完全無接触式運動計測を目指し、パソコン上で動作する画像処理用ソフトウェアを用い、形状パターンマッチングによる運動計測、濃淡パターンマッチングによる運動計測、自動抽出された形状をターゲットとして利用する運動計測等を海洋構造物の波浪中2次元運動計測に適用し、良好な結果を得た。  本研究ではさらに計測方法を発展させ、2台のカメラによって撮影された画像を合成し、この画像上で形状パターンマッチングを行うことにより、解像度を下げることなく運動計測範囲を広げることができるようにした。 これによりドリフト量の大きいブイの運動を精度良く計測することが可能となった。 さらに2台のカメラを使ったステレオ撮影による3次元運動計測、1台のカメラによる3次元運動計測の計測精度の確認を行い、手法を半潜水式海洋構造物の波浪中運動計測に適用した。 良好な結果が得られたので報告する。

著者関連情報
© 2005 公益社団法人日本船舶海洋工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top