Works Discussion Paper
Online ISSN : 2435-0753
どのような20代が生き生き働いているのか
―「生き生き働く」要素の探索的分析 ―
石川 ルチア
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2020 年 35 巻 p. 1-20

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抄録

20代の3割は、現在の職業生活に不満を持ちながら働いており、他の年代よりも「生き生き働く」傾向が低い。そこで本研究では、「生き生き働く」20 代に特徴的な要素を把握することを目的とし、リクルートワークス研究所の「働きがいの実態調査2020」のデータを用いて分析した。個人の仕事観、職場環境、生活習慣などを年代別に比較したところ、20 代は「仕事への満足感」「ワーク・エンゲイジメント」と「日常の満足感」が高い人が「生き生き働く」実感を持ちやすいことが示された。また、「生き生き働く」は加齢および配偶者の有無と相関があり、同一職場での勤続年数や同一職種の経験年数など、職務経験量によるものではないことが示された。さらに、ワーク・エンゲイジメントとの比較の結果、ワーク・エンゲイジメントは仕事や社会で積極的に活動することと関連性が強いことに対し、「生き生き働く」ことは居心地の良い職場環境や日常生活における満足感が実現していること、つまり自身が全方位的に満たされている実感との関連性が強いことが明らかになった。

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© 2020 株式会社リクルート リクルートワークス研究所
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