Works Discussion Paper
Online ISSN : 2435-0753
自己決定的な進路選択における高校での経験学習の検討
辰巳 哲子
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2015 年 5 巻 p. 1-10

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抄録

大学の選択行動について,自分の意志で選択・決断している人は、高校時代にどのような経験をしているのだろうか。本稿では,この問いを解明すべく、大学時代の5 つの行動について,自分の意志による選択の結果かどうかを尋ね,自分の意志による選択経験が多い人は,高校時代にどのような経験学習をしているのか,その影響を確認した。その際,大学時代の5 つの選択行動は,アルバイトの選択,部活・クラブ・サークルの選択,ゼミ・研究室の選択,進学先・就職先など進路の選択,職業の選択とした。 その結果,自己決定的な進路選択に対して,高校時代の経験学習因子の「自分の意見を持つ」「セルフマネジメント」「対人スキル」の有意な影響が確認された。詳細を確認すると,自己決定的進路選択をしている場合,していない場合に比して,「自分の意見を持つ」「対人スキル」は低い。その一方で,「セルフマネジメント」は高く,自己決定的な進路選択をおこなっている者はそうでない者に比して,高校での「セルフマネジメント」の経験学習は,約1.4 倍おこなわれていた。性別では女性が,中学3 年生の成績では,上の方であることもプラスに影響していた。

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© 2015 株式会社リクルート リクルートワークス研究所
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