Works Discussion Paper
Online ISSN : 2435-0753
出社を望んでいるのは誰か
~性別によるテレワーク意向パターンの違い~
石川 ルチア
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2022 年 61 巻 p. 1-16

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抄録

新型コロナウイルス感染症の拡大によってテレワークが広がり、企業はパンデミック収束後の方針を検討している。本論文の目的は、就業者がどのような働き方を希望しているのかを、男女別に明らかにすることである。分析の結果、男性も女性も、テレワークを週3日以上希望する人の割合が最も高かった。ただし、テレワークおよび出社を望む人の傾向には性差があった。男性では、役職者や職場の人間関係を重視する人に全日出社あるいは週1~2日のテレワークを希望する傾向がみられた。女性では、未就学児の子どもがいることと、職場で仕事の進め方が工夫されていること、1 週間の総労働時間が長いことがテレワーク意向者の特徴であった。企業の役職者は男性が圧倒的多数を占めることを踏まえると、主に男性がテレワークの方針を決定することになり、職場の人間関係を重視した方針に偏る可能性がある。企業が従業員のウェルビーイングを考慮したテレワーク施策を検討するためには、性別によって意向のパターンが異なる点を考慮する必要性が示された。

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© 2022 株式会社リクルート リクルートワークス研究所
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