やどりが
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奄美諸島の徳之島で発生したコノハチョウ
福田 晴夫中峯 芳郎大坪 博文岡崎 幹人
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2009 年 2009 巻 221 号 p. 18-23

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抄録

(1)2005〜2008年に徳之島では成虫11頭(2005年1頭,2006年5頭,2007年ゼロ,2008年5頭)が目撃,採集された。(2)2008年7月,伊仙町にてオキナワスズムシソウより幼虫10頭を発見し,本島での発生を確認した。(3)飼育による食草の知見は,良好に生育したものはキツネノマゴ科のオキナワスズムシソウ,セイタカスズムシソウ,オギノツメ,スズムシソウ,与えたが食べなかったものはキツネノマゴ科ムラサキイセハナビ,キツネノマゴ,クマツヅラ科ヒメイワダレソウ,ゴマノハグサ科スズメノトウガラシ。さらに調査を要するものとしてキツネノマゴ科アリモリソウ。(4)徳之島における本種は,沖縄本島か沖永良部島あたりから,2005年か何年か前に飛来し,個体数のごく少ない状態で,南部をおもな生息地にして,2008年末現在まで定着を続けていると推定される。(5)今後のさらなる北上はおもに食餌植物の事情からあまり期待できない。

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© 2009 日本鱗翅学会
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