山口医学
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症例報告
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)にて加療した多発胃粘膜下異所腺(DCM)を背景とする早期胃癌の1例
大江 晋司柳井 秀雄谷岡 ゆかり坂口 栄樹祐徳 浩紀村上 知之岡本 真理子
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2009 年 58 巻 4 号 p. 155-159

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抄録

症例は,80歳代男性.胃精査の過程で超音波内視鏡検査(Endoscopic ultrasonography, EUS)にて多発胃粘膜下異所腺(diffuse cystic malformation, DCM)を診断.経過観察中に早期胃癌を確認し,内視鏡的粘膜下層剥離術(Endscopic submucosal dissection, ESD)を施行した.DCMの診断にはEUSが有用であった.下床,側方を含めた十分な内視鏡的切除にはESDが有用であった.DCMは胃癌の並存病変として知られている.そのため,上部消化管内視鏡検査にて境界不明瞭な隆起を認めた場合には,EUSを積極的に行い,DCMが存在する場合には多発胃癌のハイリスクグループとしての経過観察が重要である.

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© 山口大学医学会
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