山口医学
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症例報告
十二指腸への直接浸潤が疑われた自然破裂歴のある原発性肝癌の一例
五嶋 敦史柳井 秀雄坂口 栄樹祐徳 浩紀谷岡 ゆかり村上 知之
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2011 年 60 巻 1+2 号 p. 23-28

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抄録
原発性肝癌の自然破裂の既往がある75歳男性が,強い貧血症状を主訴に来院した.上部消化管内視鏡検査にて,十二指腸球部から下行脚にかけて出血を伴う潰瘍限局型の腫瘤を認め,生検・腹部CTにて原発性肝癌の十二指腸直接浸潤が疑われた.過去の文献的考察では,原発性肝癌の他臓器への転移のうち,十二指腸への転移は1%前後である.本例は,原発性肝癌が腹腔内破裂後に十二指腸への直接浸潤を呈した稀な症例と考えられた.
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© 山口大学医学会
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