山口医学
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山口大学医学部医学科学生の山口県での研修希望に関する調査
福田 吉治岡野 美咲安部 真彰中村 浩士瀬川 誠
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2011 年 60 巻 4 号 p. 105-112

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抄録

地方における医師不足の背景として医師の地域偏在や大学帰学率の低下が挙げられている.本研究は,平成22年度山口大学医学部医学科の全学生を対象に,将来山口県で臨床研修(初期,後期・専門医)を行う可能性について調査を行った.600名の学生のうち447名から回答があり,有効回答440名を分析対象とした.調査は,全医学生を対象として,自記式質問紙にて,山口県で研修する可能性を10%きざみで回答を求めた.その結果,可能性70%以上の割合は,初期研修32.7%,後期・専門医研修30.5%であった.可能性50%以上の割合は,初期研修57.0%,後期・専門医研修54.8%であった.可能性が高いのは,男性より女性,1年生と6年生,奨学金貸与・地域枠学生,山口県およびその近隣県の出身者であった.1年生から5年生では,学年が上がるにつれて可能性が高くなるという傾向は認められなかった.卒前教育と卒後研修の充実等を通じて,山口県内での研修や就労を希望する学生や研修医を増やすことが必要である.

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