山口医学
Online ISSN : 1880-4462
Print ISSN : 0513-1731
ISSN-L : 0513-1731
症例報告
周期性血小板減少症に薬剤関連性小腸粘膜障害を合併した1例
西村 達朗橋本 真一河郷 亮白澤 友宏横田 恭之柴田 大明岡本 建志西川 潤坂井田 功
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 64 巻 1 号 p. 41-45

詳細
抄録
症例は70歳代男性.周期性血小板減少症に対して当院血液内科で加療中であり,血小板数は約1ヵ月で5~30×104/μlの間を推移していた.2008年に血小板減少期に一致して黒色便を認めたため,上部・下部消化管内視鏡検査を施行したが出血源の同定には至らなかった.カプセル内視鏡検査では,小腸にびらんや潰瘍,出血を疑う所見を認めており,アスピリンによる薬剤関連性小腸粘膜障害が疑われた.レバミピド300mg/日とイルソグラジンマレイン酸塩4mg/日を投与開始し,約1ヵ月に1回の血小板減少期に合わせて,食事を半消化態栄養に変えることにより,約1年間貧血の進行を認めなかった.しかし,2012年に大量の黒色便を認めたため,濃厚赤血球製剤および濃厚血小板製剤の投与が必要となり,循環器内科と相談の上,アスピリンを中止しサルポグレラート塩酸塩のみ継続することとした.その後は貧血の進行を認めずに経過している.周期性血小板減少症は非常に稀な疾患であり,根治的治療法が明らかとなっておらず,薬剤関連性小腸粘膜障害に伴う消化管出血への対応に難渋した.
著者関連情報
© 2015 山口大学医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top