抄録
症例は36歳の男性.Charcot-Marie-Tooth(CMT)病type 1Bと診断され,当院の神経内科にて通院加療を受けていた.200X年11月にAST 237IU/ml,ALT 496IU/mlと肝障害を認め,当科紹介となった.精査の結果,C型慢性肝炎 genotype 2a, HCV-RNA 5.4logIU/mlと診断され,Interferon(IFN)治療開始目的に,翌年4月に入院となった.IFNには副作用として少数ではあるが末梢神経障害の報告がある.末梢神経障害の機序は不明であるが,神経筋疾患患者においては,一般にIFN投与は好ましくないとされている.国内にて使用されるIFN製剤は数種類あるが,IFNαは0.1~5%未満の頻度で末梢神経障害を認めるとされているが,IFNβには末梢神経障害の報告はない.そこで,今回神経内科医による厳重な経過観察のもと,IFNβを用いてCMT病合併C型慢性肝炎に対しIFNβ+Rivabirin(RBV)併用療法を行った.神経症状の増悪なく治療を完遂することができ,sustained viral response(SVR)が得られた.末梢神経障害を合併するB型・C型慢性肝炎に対してIFN治療を行う際には,IFN βを使用することにより,神経症状の増悪なく安全に抗ウイルス療法を施行できる可能性が示唆された.