日本腰痛学会雑誌
Online ISSN : 1882-1863
Print ISSN : 1345-9074
ISSN-L : 1345-9074
腰痛とはどの部位の痛みをいうか―患者,整形外科医へのアンケートによる調査―
松平 浩山崎 隆志滝川 一亮荒井 勲星地 亜都司中村 耕三
著者情報
キーワード: 腰痛, 評価, アンケート
ジャーナル フリー

2001 年 7 巻 1 号 p. 49-54

詳細
抄録

患者と整形外科医にアンケートで人体図の腹背側面に“どこが痛ければ腰が痛いと表現するか”との質問票に回答を求めた.患者は腰痛既往のある270名,医師は3年以上整形外科を専門としている62名を対象とした.患者,医師ともその表示パターンは以下の4型に分けられた.1型:背側においてその局在の下限が腸骨稜を越えない腰背部単独型,2型:下限が腸骨稜を越えるが殿部の近位1/2を越えない上殿部型,3型:下限が殿溝まで及ぶ全殿部型,4型:下限が殿溝を越える下肢型.その内訳は患者で1型62%,2型27%,3型8%,4型3%,医師では1型39%,2型48%,3型11%,4型2%であった.背側のみならず上前腸骨棘周囲などの腹側にも表示のあった回答者が患者の10%,医師の3%にみられた.個人の考える腰痛部位は殿部の扱いを含めさまざまなため,JOAスコアを用いて腰痛,下肢痛の治療成績評価をする際は,腰の範囲を明確にする必要があると思われた.

著者関連情報
© 2001 日本腰痛学会
前の記事 次の記事
feedback
Top