2003 年 9 巻 1 号 p. 179-184
老人の脊椎圧迫骨折に対して,入院することなく,ADLを保ちながら外来通院で治療する着脱式プラスチックギプス固定法を考案し,その実施方法と治療成績について報告する.平均74歳の40症例に本法を用いて治療した成績は,全症例において入院することなく極めて良好な結果を示した.老人は,心・肺疾患などの合併症を有するものが多く,強固なギブス固定は病状をさらに悪化させることにもなり,また老人は入院臥床すると,全身の臓器・組織の機能低下を引き起こし,ADLは著しく阻害され寝たきりとなる可能性も高い.本法は,自分で自由に着脱できるため圧迫不安感がなく,外来通院で治療できる利点があり有用である.