日本腰痛学会雑誌
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[特集]腰部脊柱管狭窄症の保存療法とその適応
腰部脊柱管狭窄の保存療法─適応と限界─
矢吹  省司菊地  臣一
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2003 年 9 巻 1 号 p. 47-51

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抄録
腰部脊柱管狭窄による神経障害は,神経根性,馬尾性および混合性に分類される.われわれは神経障害型式によって,神経根ブロック(RB)や交感神経節ブロック(SB)による保存療法を行ってきた.今回は,これらの治療効果について検討した.明らかになった事実は以下の通りである.①神経根性の症例に対するRBによる保存療法は,47%の症例に有効である.変性すべり症は,脊椎症に比して治療効果は劣る.②馬尾性の症例に対するSBによる保存療法は,25%に有効である.罹病期間の短い症例に有効な症例が多い.腰部脊柱管狭窄の保存療法は,神経障害型式,原疾患および罹病期間などを考慮して行えば有効な治療法となり得る.
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© 2003 日本腰痛学会
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