有機合成化学協会誌
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フルオレン誘導体の研究 (第3報)
フルオレンから合成繊維用分散性アゾ染料の合成について (その1)
林 茂助石川 延男
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1954 年 12 巻 6 号 p. 213-221

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抄録

アミノフルオレンをジアゾ成分とし, これにつぎに記す (1)~(10) のアミン類をカップルさせて, それぞれ対応するI~Xの新しい合成繊維用分散性アゾ染料を合成し, おのおのの融点, 吸収スペクトル曲線 (アルコール溶液可視部) 酢酸人絹, アミラン, ビニロンへの染着性, 染色堅牢度をしらべた。
(1) アニリン, (2) N-β-オキシエチルアニリン, (3) N, N-ビス (β-オキシエチル)-アニリン, (4) N-β-オキシエチルーN-エチルアニリン, (5) ジメチルアニリン, (6) ジエチルアニリン, (7) N-β-オキシエチルーm-トルイジン-(8) N-β-オキシエチルーN-メチル-m-トルイジン, (9) α-ナフチルアミン, (10) β-ナフチルアミン。
これらの染料の融点は200℃前後, また可視部における吸収スペクトル極大波長は染料I~VIIIでは410~430mμ附近で, アゾ成分のアミノ基にアルキル・オキシルエチル基が導入されると少し深色的となる。IX, Xでは470mμ附近であつた。

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