有機合成化学協会誌
Online ISSN : 1883-6526
Print ISSN : 0037-9980
ISSN-L : 0037-9980
タール酸に関する研究 (第8報)
m-, p-クレゾールの簡易定量法
根来 健二
著者情報
ジャーナル フリー

1956 年 14 巻 1 号 p. 40-41

詳細
抄録
m-, p-クレゾール定量法として硝化法, 臭化法などが一般に用いられているが, 条件に敏感で, 且つ時間と労力を要するという難点がある。
筆者はベンジジン, o-トリジンがm-, 及びp-クレゾールと結晶性の極めて良い付加体を定量的に作る点を利用して融点線図を作製し, これを利用してm-, p-クソゾール混合物の分析を簡単に行う方法について研究した。
クレゾールの異性体中o-は精密蒸留によつて分離できるから, m-, p-クレゾール系の良い分析法が望ましい。m-, p-クレゾール混合物の融点線図が実用となり得ないのは分子化合物生成のため曲線の途中に山ができ, そのために融点と純度の関係の判定に困難を招くからである。
著者は芳香族アミン特にベンジジン, o-トリジンの付加物が定量的に良く結晶する点を利用した新方法を研究した結果, 比較的簡単にm-, p-クレゾールの分析を行うことができた。
著者関連情報
© 社団法人 有機合成化学協会
前の記事 次の記事
feedback
Top