有機合成化学協会誌
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1-ニトロンアトラキノン-2-カルボン酸とベンジジンとの縮合反応について
飛田 満彦加藤 信八郎
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1957 年 15 巻 10 号 p. 528-532

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抄録

1-ニトロアントラキノン-2-カルボン酸とベンジジンとを炭酸ナトリウム, マグネシアの存在で反応させれば, 縮合反応と脱炭酸反応とが起り, ビス (1-アントラキノニル) ベンジジン-2, 2'-ジカルボン酸 (ジカルボン酸) とともにビス (1-アントラキノニル) ベンジジン-2-カルボン酸 (モノカルボン酸) が生成する。炭酸ナトリウムは縮合および脱炭酸の両反応を促進するが, マグネシアは脱炭酸反応を抑制する作用がある。反応の条件を適当に選ぶと, ジおよびモノカルボン酸をそれぞれ単独に得ることもできる。適当な濃度のアルカリにより, モノおよびジカルボン酸の混合物からそれぞれを単離することができる。ただし, 分離に適当なアルカリの濃度はカルボン酸の組成によつて著しく異なる。
カルボン酸の分析はナトリウム塩法によつて満足すべき結果を得ることができた。

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