有機合成化学協会誌
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ク自ルシアンの四量体およびその誘導体に関する研究(第2報)
クロルシアン四量体と脂肪族アルコールとからクロルイミノエーテルおよびウレタン類の合成
児玉 寛関場 鉄也
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1963 年 21 巻 10 号 p. 788-793

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抄録

 クロルシアンの四量体,すなわち2,4-ジクロロー6-イソシアノジクロロ-1,3,5-トリアジン(以下TCC)のトリアジン核に結合しているクロルをそのままとして,イソシアノジクロロ基のクロルとアルコールとの反応により,クロルイミノエーテル体,すなわち2,4-ジクロロ-6-アルコキセクロロイソシアノ-1,3,5-トリアジン(1)およびウレタン体,すなわち2,4-ジクロロ-6-アルコキシカルボニルアミノ-1,3,5-トリアジン(2)の合成を検討した。 その方法として,1)脱塩化水素縮合反応,2)脱酸剤として,重炭酸ナトリウム,炭酸ナトリウム,炭酸カルシウム,カルシウムカーバイド,金属アルミニウム粉末を用いる縮合反応を試みた。1)は目的物を得ることはできなかった。2)は目的物の(2)を一挙に得たが再現性が悪く,種々検討した結果,反応を段階的に行なうことにより(1)を好収率で得ることができた。またこの(1)を加水分解することにより(2)を好収率で得た。

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