繊維と工業
Online ISSN : 1884-2275
ISSN-L : 0037-2188
4 巻, 12 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 片山 健一
    1971 年 4 巻 12 号 p. 585-587
    発行日: 1971/12/15
    公開日: 2009/03/27
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  • 黒川 昌孝
    1971 年 4 巻 12 号 p. 588-592
    発行日: 1971/12/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
  • 滝沢 章
    1971 年 4 巻 12 号 p. 593-601
    発行日: 1971/12/15
    公開日: 2009/03/27
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  • 清水 二郎
    1971 年 4 巻 12 号 p. 602-609
    発行日: 1971/12/15
    公開日: 2009/03/27
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  • 久世 栄一
    1971 年 4 巻 12 号 p. 610-615
    発行日: 1971/12/15
    公開日: 2009/03/27
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  • 木下 陸肥路
    1971 年 4 巻 12 号 p. 616-619
    発行日: 1971/12/15
    公開日: 2009/03/27
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  • 今井 淑夫, 羽山 茂
    1971 年 4 巻 12 号 p. 620-627
    発行日: 1971/12/15
    公開日: 2009/03/27
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  • 石井 美治
    1971 年 4 巻 12 号 p. 628-634
    発行日: 1971/12/15
    公開日: 2009/03/27
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  • 黒木 宣彦
    1971 年 4 巻 12 号 p. 635-642
    発行日: 1971/12/15
    公開日: 2009/03/27
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  • 清水 二郎, 坪井 弘司
    1971 年 4 巻 12 号 p. 643-657
    発行日: 1971/12/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    繊維機械のオリンピックと云われる,欧州繊維機械展 (ITMA'-PARIS) が6月22日から7月1日までパリの南のポート・デ・ベルサイユで開催された。 1952年ブリユッセルで第1回が開かれて以来, 4年に一度ずつ,回を重ねる毎に規模を拡大し,今回は世界25カ国の1,071社が参加し,参加国,出品企業,展示面積とも史上空前と云われ,前評判もすばらしかった。参加のもっとも多かったのは西ドイツの約270社,ついでイタリーおよびフランスなどであったが,わが国から日産,豊田,村田など21社が出展した。
    そんなことで,日本から数十の団体が組織され, 1時は3000人から5000人もの人々がパリに行くんだろうと噂され,さすがにGNP第2位の日本の繊維工業界だと非難めいた批判さえたった程だった。筆者の一人である清水も2日間ではあるが,これを見学した。このように短期ではとてもその全体を見ることも,伝えることも不可能な程であったが,出発前に受けとったリーズ大学の一教授からの手紙にもあったように,繊維機械の発展の歴史において極めて意義のあるものであつた。幸にも他の筆者坪井はJETROの関係者の一人として,直接このITMAに関係し,最も長期の滞在者として,その現状を調査してきた。 ITMAに関しては本学会では夏季セミナーおよび各種の研究委員会で報告会を開催し,また他誌においても報告を採り上げている。そこで筆者らは,ここでは, ITMAを中心とした繊維機械の動向を将来の開発の問題点に対して,主観的ではあるが意見を記すことにする。
    ここ数年に新しい原理に基づいた幾つかの機械が発表された。その2, 3はすでに前回のバーゼルで発表されたものであったが,実用化が着実に進められ,今回を総称するならば,創造的な繊維機械が従来の機械を圧倒したと云えるであろう。
    その極端なものが織機であった。一見ニッテイング機に注目が集まったような感があったが,出展台数140台のうち70%がシャットルレス・ルームに占められ,産業革命の原動力の一つであったフライングシャットルによる力織機も今回で,姿を消すのではないかとも思われた。
    ニッテング機は世界的なニットブームを反映して,出展機種のうち最も人気があったけれども,出展台数は前回に比して半減した。丸編機の柄出しの自動化,多給糸化などエレクトロニックスの導入が,特に注目されていたが,原理的な興味は乏しかった。この点ではルーテイの多相織機は一斉開口緯打ちという織機のイメージを変えて,一見丸編機に近い波形開口機構を採り入れ,柄出しの多様化と高生産性をねらった優れた着想であった。
    布面に柄出しをしてデコラチィブなものを作り上げようとする試みは,機械の多様化の方向として当然である。ニードリング機,タフテング機また多針のミシンで高度の模様がつくられるようになった。その結果として価格も従来の織機のように,数十万円のオーダのものから,最近のメリヤス機は数百万円に,そして今回は一億数千万円のタフティング機の出現にまで及んでいる。繊維加工関係設備はその投下資本が低いことを特長とし,低開発国の工業化の第一歩とされていたが,航空機なみの繊維機械の出現は驚異であるとともに,最新機械の設置は到底低資本でなしうるものではなくなってきたことを,実事として示された感がある。近年進められている構造改善は当然この線に沿っていると思うが,なお我々の関心をとらえたのはこのような高度の加工機を開発する資本力,工業力の蓄積に対してどれだけ手を打つことが出来るかと云う点であった。
    オープンエンド精紡機の開発と実用化が十数社において行なわれ出展されていた。この傾向はむしろ当然と云えよう。昨年のサンフランシスコの国際羊毛会議で発表されたセルフ・ツイスト精紡機がプラットインターナショナル社から出展されていたが,これら一連の精紡機は新しい原理に基づいて飛躍的にスピードアップした。
    リング精紡機 30m/min
    オープンエンド精紡機 60~100m/min
    セルフツイスト精紡機 250m/min
    同じく独創的な繊維加工システムとしてルーテ社からパべナ (PAVENA) 方式が発表された。紡績工程中に染色操作を導入し,紡績,製布,染色などの加工系列全体から工程の短縮を考えようとした点で注目に値した。今後,加工の高度化とファシ_??_ン多様化とともに紡績が大規模多量生産から,小ロット多種生産に移行する可能性もあり,野心的な試みと云えよう。
    今回のITMAがこのような改新的に機械の出展により単に従来の羅列的な見本市でなかったことは,筆者を始めわが国の見学者にとって強烈な印象であつたと思う。しかし,反面このような技術開発力にここ数年に急激な格差が生じたのでないかと懸念さえ感じさせられた。
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