Annual Meeting of the Geological Society of Japan
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The 130th Annual Meeting(2023kyoto)
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J1. Junior Session
  • Ikeda Junior Junior
    Session ID: J1-P-9
    Published: 2023
    Released on J-STAGE: April 10, 2024
    CONFERENCE PROCEEDINGS FREE ACCESS

    研究者氏名:末滿李紗・池田誠克・辻 健・伊東由莉奈・林首成・井料優良・東ひかる・川野仁子・小田平佑理・富川慎也・及川紗彩・及川 紗紬・小倉心美・加藤ほのか・中尾文乃1 江戸時代の気象を古文書の天候記述で復元してきた。今年は「稲束家日記(大阪・1758-1912)」を分析した。2 研究の目的「日記の天気の出現率」をもとに気象を考察し、日記記録の精度を測る「詳細率」(庄ほか,2017)と「日記の降水(雨雪)出現率」を説明変数、「大阪気象台の降水出現率」を目的変数として回帰分析を用い、1882年以前の「大阪気象台の降水出現率」を復元する。3 研究の方法天気は気象庁の「出現率」の分類に近づけて、雪→雨→曇→晴と判別した。また、「晴」と「曇」が併記されている日は、1日のうち、8.5割以上曇っていれば「曇」、8.5割未満であれば「晴」と、空間分布を時間分布に換算して判断した。4 データ処理及び「詳細率」データは155年間で53,210日であった。詳細率とは名古屋工業大学の庄らによる独自の関数で、①複数種類の天気が併記されていたり、②時間変化に関する記述や③降水規模の記述がある日数の年比率である。5 考察⑴データ①:晴の出現率で日照時間の復元7月の日記の晴の出現率と、1890年に気象台で観測が始まった日照時間の1日の平均値(h)をプロットすると、直線性がよい。単回帰分析で復元すると、7月の日照時間の最高は1853年で、最低は1807年であった。⑵データ②と考察:曇の出現率と太陽黒点数「宇宙空間から飛来する銀河宇宙線が地球の雲の形成を誘起する」というスべンスマルクの仮説を知り、曇の出現率と比べた。太陽活動が低かったダルトン極小期に曇の出現率が高くなっている。⑶データ③と考察:降水出現率の復元「日記の降水出現率」x₁と「詳細率」x₂を説明変数、「気象台の降水出現率」yを目的変数として重回帰分析を用いて分析を⾏った。1758年から1882年の間の「降水出現率」を復元すると、傾向は右肩上がりになっており、徐々に気温が上昇していたことを示唆する。⑷データ④と考察:降雪日数比の周期性と気温先⾏研究によると、降雪日数比は11月-3月の「雪日数」を「降水日数」で除して求める。大阪で気象観測が始まった1883年以降の11-3月の降雪日数比と気象台の日平均気温(℃) は相関係数が-0.526である。江戸時代も同じ相関があるとすると、復元期間(1758-1882)で最も気温が低かったのは、天保の飢饉の1838-1839年の冬期だと考えられる。6 まとめ⑴ダルトン極小期に曇の出現率があがり、スべンスマルクの仮説を支持する結果となった。⑵「降水出現率」を回帰分析で復元すると、1758年から1912年にかけて右肩上がりで、気温の上昇が続いたことを示唆する。⑶1883年以降の11-3月の降雪日数比と気象台の日平均気温の相関係数は-0.526で、一番気温が低下したのは天保の飢饉の1838-39年の冬期だった可能性がある。7 今後の展望復元データを正とし、同じ池田市で書かれた「伊居太神社日記(1714-1850)」で、時期を遡り復元する。8 参考文献1)庄建治朗, 鎌谷かおる, 冨永晃宏:日記天気記録と気象観測データの照合による梅雨期長期変動の検討, 水文・水資源学会誌, Vol 30, No 5, pp 294 –306, Sep 20172)田上善夫:11-16世紀の日本の気候変動, 富山大学人間発達科学部紀要 第10巻第2号 205-219, 20169 キーワード稲束家日記、詳細率、重回帰分析、降雪日数比

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  • Ikeda Junior Junior
    Session ID: J1-P-10
    Published: 2023
    Released on J-STAGE: April 10, 2024
    CONFERENCE PROCEEDINGS FREE ACCESS

    研究者氏名:重吉絢斗・西岡治弥・菱田琉斗・趙 戚軒 火山雷は噴火に伴った一般的な放電発光現象であり,噴火の際に噴出する粒子同士の衝突やマグマの破砕などによって噴煙が帯電して放電すると考えられている。しかし,火山噴煙の電荷分布や噴火現象による発生のメカニズムについての詳細は明確にされていない。また,桜島においては2008年からの昭和火口噴火において噴火回数が急増し,火山雷が頻繁に観測されたが,最近は南岳山頂噴火になり噴火回数が減少し,火山雷発生数も減少している。 我々は本年度から南岳山頂噴火における火山雷を対象に研究を始め,火山雷が発生しやすい噴火のタイプや噴火してから発生するまでの時間や発生する標高,さらにその際の火山雷の形状などについて特性評価を行っている。 火山雷を引き起こす噴火のタイプは,2011年に錦江湾高校西らが昭和火口での火山雷発生事象の分類と同様に,火口付近に高温の噴出物をまき散らす噴水型噴出するタイプと噴煙が円柱状に高く昇るカラム型噴出タイプの2タイプに分けられた。(図1)。また我々は火山雷を放電方向と長さの特徴から,火山雷の形状について5種類に分類した(図2)。火山雷の標高を測るときは,パソコンの画面での距離を実測し,換算して実際の高さを求めた。また,噴火情報は,鹿児島地方気象台の作成した「桜島噴火観測表」を基にした。夜間の火山雷動画は株式会社「財宝」の垂水ウェブカメラからの映像の提供を受けた。 現在,2022年の南岳で起こった噴火事象と2011年の昭和火口で起こった噴火事象を終え,その分析結果から火山雷発生時間や高度,噴火時の空振および発生高度と火山雷発生回数との関係を明らかにすることに取り組んでいる。 分析した結果,18事象中噴水型噴出は12事象で,カラム型噴火は6事象であった。 発生した火山雷のおよそ6割は,噴火したばかりの噴煙と山頂間の数メートルから十数メートルの点雷であった。さらに南岳において非常に明るい点雷も観察されたので,それを大点雷と名付けて区別した。次に数十メートルから数百メートルぐらいの縦雷が2割程度,同様に横雷が2割程度観察された(図3)。 カラム型噴火と噴水型噴出を比較すると,噴水型噴出は噴火直後に短時間に集中して火山雷が発生するのに対し,カラム型噴火は噴火後比較的長時間発生した。また火山雷の形状と経過時間に着目すると,小点雷は経過時間に関わらず発生。大点・縦雷・横雷・その他は、噴水型噴出においては噴火してから1分間に集中して発生していた。また火山雷のほとんどが1000m~1500mの間で発生していた。 さらに空振と火山雷の関係については,空振が大きい爆発的な噴火よりも空振が小さい噴火の方が火山雷の発生数が多い結果となった(図4)。このことは,単に噴火の規模が大きいということよりも噴火による噴煙の帯電状態が火山雷の発生を決めていることが伺われる結果となった。また,それぞれの火山雷の形状の発生数を比較すると,点雷が飛び抜けて多く,次いで横雷が多く発生し,縦雷とその他が同じくらい発生していた。 今後の目標としては,発生するすべての火山雷を観測するために,発生する鳴動(音波)やAMラジオなどで観測される電磁波観測に挑戦し,火山雷が観測しづらい日中に発生する火山雷や地形や噴煙の陰で発生する観測されにくい火山雷も含めた火山雷の全貌を捉えたいと考えている。キーワード:火山雷,噴水型噴出,カラム型噴出,点雷,縦雷,横雷参考文献 1)相澤広記,火山電磁気観測の進展,火山 第 61 巻 ( 2016) 第 2 号 345-365 頁2)西 歩美ら, 桜島の噴火に伴う火山雷の特性評価とそのモデルの提唱, 日本物理学会第8回Jr.セッション,口頭発表,鹿児島県立錦江湾高等学校

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  • Ikeda Junior Junior
    Session ID: J1-P-11
    Published: 2023
    Released on J-STAGE: April 10, 2024
    CONFERENCE PROCEEDINGS FREE ACCESS

    研究者氏名:(地象気象班)吉井 由,近森たお,長瀬楽々,川田代航汰,河元千代乃,鎌田美舞菜 私たちが住まう鹿児島県には11の活火山があり、火山防災は喫緊の課題といえる。そこで火山活動を把握し、最終的には活動の予知を行いたい。そして、そのために火山ガスの組成(種類と濃度の割合)を求めることにした。それは桜島がHF,HCl,SO2等の火山ガスを常時噴出しており、東京工業大学の平林が、火山ガス組成と火山活動の関係性に関して報告しているからである。一方、鹿児島県、市はSO2については大気観測所で観測を行っているがHF,HClは計測を行っていない。そこで高校生が,濃度比から噴火活動との関連を調べ、広域な火山ガス(HCl,HF,SO2)の濃度分布を把握するために簡単に火山ガスの濃度を測定できて、大気観測において実績のあるアルカリろ紙法による火山ガスの簡易捕集法と自作吸光度計による測定を行い、データを蓄積して、火山活動と照合した。 アルカリろ紙法とは、塩基が付着したろ紙に酸性ガスを中和反応で吸着させるものであり、Na2CO3 水溶液(70g/L)にろ紙を入れた後に簡易デジケータ内で乾燥させたろ紙(10×2cm)をつけて、一晩乾かしたものを用いた。そして、降灰や降雨からろ紙を守るために簡易曝露架台「ソーダ君」(図1、2)を作成、その中にろ紙を入れ、1週間から1ヶ月ほど県内15か所で調査を行った(図3)。 屋外設置を終えたアルカリろ紙からサンプルを作成して、「輝ちゃん」(図4、5)を用いた化学分析を行った。青色LEDと受光素子であるSiフォトダイオードを用いた。基板,針金とハンダを用いて組み立て、遮光には,黒色の薄いプラスチックを用いた。使用する際は,光を完全に遮断する。 HClには硝酸銀水溶液を用いて塩化銀比濁法を行う。SO2には塩化バリウム水溶液を用いて硫酸バリウム沈殿法にて濃度を行う。HFにはSPANDS試薬を用いて赤色の褪色を用いて濃度を測定した(図6)。いずれにおいても試薬との反応前後の測定値を記録し、吸光度を求め、検量線(図7~9)に代入し濃度を求める。検量線は標準溶液(HClにはNaCl水溶液、SO2にはNa2CO3水溶液)を用いて作成した。 昨年4月から12月までの各地の火山ガス採取量の質量をまとめたものが図10である。また図11は桜島南岳火口から最も近い赤水における火山ガス観測の結果である。これらの結果から我々のアルカリろ紙法でHCl、HF、SO2の測定が可能だということが分かる。 また、火山ガスの比率と噴火活動を照合するために、火山ガスの捕集量から求めた、Cl-/SO2、F-/SO2、 Cl- /F-の三種類のモル比/日と期間内の噴火回数の1日辺りの平均値を比較した。東京工業大学の平林は、HCl/SO2比が大きくなる時に火山活動が活発になることと、 それ以外にCl-/F-と、Cl-/SO2には逆相関があることを報告している(図12)。それを踏まえて我々の結果を見てみる。図13は桜島内の赤水における3種類の比率と期間内の噴火回数を求めた物で、棒が噴火回数、折れ線が比率を表し、縦が比率と回数を、横が観測期間を表す。Cl-/SO2が小さいときには噴火数も小さくなることが分かり、また、Cl-/F-が大きくなった後に、噴火が増え、 Cl-/F-が小さくなった後に噴火が減少する傾向が見られ、これも平林と一致し、我々は独自の方法で火山ガスの捕集を行うことができ、さらに測定した値から火山ガスの比率の振る舞いを割り出すことができ、将来的には火山ガスの予知ができるかもしれない。 今後の目標としては、現在のソーダ君は流入する空気の量が一定でないので、強制換気機能付きサンプラーを作成することや火山ガスのみでなく、火山灰にも注目し、火山灰を化学分析してみることなどをしたい。また、火山ガス観測を妨害しうる、海塩粒子や風向きによる影響を検証していきたい。キーワード:火山ガス、アルカリろ紙法、簡易曝露架台、自作吸光度計、比濁法

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  • Ikeda Junior Junior
    Session ID: J1-P-12
    Published: 2023
    Released on J-STAGE: April 10, 2024
    CONFERENCE PROCEEDINGS FREE ACCESS

    研究者氏名:(地質気象班)松ヶ角優花,長瀬楽々,近森たお,角倉暖野,井上結友,吉井 由,鎌田美舞菜,陳 敏儀,河元千代乃,黒瀬こころ,土門里桜,上本竜也,川田代航汰 我々は火山ガスの組成比や噴気温度を観測し,測定法の確立や他火山との比較を行い噴火の前兆を捉えたいと考えた。そこで研究フィールドに指宿火山群(湯峰権現噴気帯・スメ谷噴気帯・鰻池スメ広場噴気帯)(図1)を選び,観測を行った。 時間分解能の高い噴気温度を観測するため,市販の室温記録計の温度センサーを取り外してガラス管で保護し,温度センサー部に延長ケーブルを取り付け,本体保護のため密閉容器にいれ,自動温度記録計「スメ度ん」(図2)を作成した。天ぷら油と熱電対温度計を用い校正実験を行ったところ,決定係数R2値がほぼ1となったことから使用可能と分かった(図3)。回収時には熱電対温度計で実測し補正する。 火山ガス観測のため市販のガスセンサーの使用を考えたが,高温で多量の水蒸気が主成分の火山ガスの直接観測は想定されていないため冷却し,周囲の空気で希釈する方法を考えた。一昨年年度は希釈密閉容器を使用していたが,希釈空気の体積測定やガス検知管の併用が難しかったため,昨年度はポリエチレン袋を用いた希釈ポリ袋「KGロック」(図4)を作成した。これにより希釈空気の測定が安易になり,容器に火山ガスを入れるときや検知管で測定する際の体積変動を抑えられるようになった。火山ガスをシリンジで採取し湿布で冷却した後ガスセンサーと希釈空気を入れた「KGロック」に移し換算式を用い希釈前の火山ガス濃度を求める。測定する成分は岩崎らの経験則を参考にCO2・H2S・SO2とし,凝縮体積から水蒸気量を求めた。SO2の検知管はH2Sに感度があるため,検知管でH2Sを除去し測定する気象庁沢田の連結法を用いた。 (図5)は2022年6月12日~10月29日までの10分おきのデータを示し,縦軸が温度,横軸が経過時間である。(図6)は指宿市のアメダスデータを示し,折れ線グラフが気温,棒グラフが降水量,横軸が経過時間である。この期間の噴気温度はほぼ100℃と一定で,気温や降水量による大きな変動はほとんどないとわかる。しかし火山ガスの噴気量が少ない際に外気の影響を受けたり,大量の降水があった際に噴気孔に土砂や水が入り大きく温度が低下したりすることがあった。火山ガスの体積変動から目分量で水蒸気体積(図7)を求めたところ3地点とも80~96%であり,標準偏差は3程度であることから変動は小さくほぼ一定であるとわかった。平均値をとったところCO2(図8)は10000ppm前後,H2S(図9)は300ppm程度とわかった。またCO2,H2Sともに鰻池スメ広場>スメ谷>湯峰権現の順で値が大きいことがわかった。検知管でSO2を測定(図10)したところ0.1ppm以下であり,捕集した際の凝結水にSO2が溶けている可能性を指摘され分析を行ったところ湯峰権現>スメ谷>鰻池スメ広場の順に値が大きかったため,凝結水にSO2が多く溶け込んでおり検知管の値は低く出ていると考えられる。これらの結果により指宿火山群の火山ガスの組成はH2O>>CO2>H2S>>SO2とわかった。先行研究の箱根火山(大涌谷)と指宿火山群を比較するため指宿火山群のCO2/H2S比を求めたところ(図11),指宿火山群のCO2/H2S比の値は1~20であったのに対し箱根火山は20~60の値であることから,指宿火山群は箱根火山に比べ比較的火山活動が活発ではない状態で安定しているとわかった。 今後は「スメ度ん」の改良や,火山ガスの常時自動観測装置の作成に取り組み,将来の火山防災につながる基礎データの蓄積を行いたい。キーワード:火山ガス・自動温度記録計・簡易希釈法・火山ガス組成比

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  • Senior High University
    Session ID: J1-P-13
    Published: 2023
    Released on J-STAGE: April 10, 2024
    CONFERENCE PROCEEDINGS FREE ACCESS

    研究者氏名:富澤 優近年、集中豪雨などにより土砂災害が発生している。その一因には岩石の風化が考えられ、水が岩石にしみ込み,どのように風化していくのか疑問に感じ,岩石が風化するプロセスを再現しようと考えた。また、海岸付近で見られる塩類風化についても同様に模擬実験を行った。本実験では,泥岩、砂岩、礫岩、凝灰岩、石灰岩、チャートの6種類の堆積岩を用いた。岩石の大きさは、長径約2cmの小さいものを使用した。実験方法は,①ノギスで岩石の長径・中径・短径を測定した後、岩石の体積と質量を測定し密度を求めた。②岩石を室温で水と濃度10%の塩化ナトリウム水溶液に数時間以上浸した。③水または塩化ナトリウム水溶液から取り出した6種類の岩石を冷凍庫に入れ、取り出し後に岩石の質量を計測した。④恒温機の中に入れて,水分を蒸発・乾燥させた。⑤恒温機から取り出した岩石の⾧径・中径・短径、体積、質量、密度を測定し,①の状態のものと比較した。上記のサイクルを7回繰り返し,その変化の様子を観察・計測した。また,水(による物理的風化)と塩化ナトリウム水溶液(による塩類風化)での比較をした。水を用いた実験では、6種類の岩石は体積、質量と密度に変化はなかった。一方、塩化ナトリウム水溶液を用いた実験において、泥岩は2サイクル目で泥岩の表面に塩が析出され割れ目が入り、3サイクル目には割れてしまった。4サイクル目ではさらに数本の割れ目が観察された。泥岩では2サイクル目から質量が増加した。凝灰岩は、6サイクル目に表面に塩が析出し、質量は2サイクル目から増加した。泥岩と凝灰岩は塩化ナトリウム水溶液がしみ込み、塩を含んだため、質量が増加したと考えられる。その他の砂岩、礫岩、石灰岩、チャートは表面の様子や質量に変化がみられなかった。以上の結果から、泥岩や凝灰岩ほど風化しやすい傾向があることがわかった。また、水よりも塩化ナトリウム水溶液の方が、水分蒸発により塩が析出し、塩の圧力により崩れたと考えられる。今後も同様の風化の再現実験を行う予定である。キーワード:堆積岩、物理的風化、海水、塩類風化

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  • Senior High University
    Session ID: J1-P-14
    Published: 2023
    Released on J-STAGE: April 10, 2024
    CONFERENCE PROCEEDINGS FREE ACCESS

    研究者氏名:佐藤未望,鎌田唯花 神奈川県荒崎では, 皿状構造と呼ばれる稀な堆積構造がみられる。皿状構造は上方に凹の形態で, 長さ数cm〜数十cmの幅を持つ, 層理面に平行な葉理である。荒崎ではスコリア層の上部30cmに,横幅およそ5mにわたって皿状構造の連なりが見られた。それぞれの皿状構造は幅十数cmほどで, 左右両端が上方に持ち上がっていることが観察できた。辻・宮田(1997)では, 皿状構造は脱水に関連して形成された2次的な葉理であり, 未だ一般的な形成過程の定説はないと述べられている。また, 形成過程について次のような考察がなされている。まず, 地中深くの地下水が,地震が原因の液状化現象などで上昇する(以降, この上に向かう水流を浸透流と呼ぶ)。この浸透流が粒径の小さい砂で構成される水を通しづらい層(以降, 難透水層と呼ぶ)にぶつかることで,浸透流が堰き止められ水洞ができる。そして水洞の水が左右上方に抜けることで両端が持ち上がった形状ができる。水洞から完全に浸透流が抜けると, 左右両端が上方に持ち上がった変形構造, 皿状構造が形成される。馬上・和田(2020, 本校探求活動)は自作の実験装置を用いて皿状構造の形成過程の再現を行い,皿状構造の形成に成功した。それによると, 皿状構造の形成には適度な流入速度と地層の固まりが必要であるとわかっている。しかし, 再現回数が少ないこと,再現性が低いことが課題であった。本研究ではその課題の改善を目的として2種類の実験を行い, 皿状構造の形成過程の更なる解明を目指した。はじめに再現回数を増やすことを目的として,馬上・和田(2020, 本校探求活動)にて水洞の形成に成功した条件を踏まえた実験を行った(実験①)。1m長のアクリルパイプにホースを繋げたものを実験装置とし, アクリルパイプ内に砂を60cmの厚さ入れ地層を再現した。再現した地層下部に特に粒径の小さい砂からなる層を挟み,難透水層を故意的に作った。そして下から水を流入させ,浸透流を再現した。そして, この浸透流が難透水層にぶつかった時に, 再現した地層にどのような変化を与えたかを観察した。実験①では主に, 浸透流が再現した地層に何の影響も与えず, 再現した地層内の水面が上昇する現象が見られた。この現象を浸透と呼ぶ。浸透は水圧が弱いことが原因で起こる現象である。そこで, より大きい水圧で浸透流を流入させるために, 実験装置にモーターをつけて改良を施した。また, 地層を再現する容器を厚さ6cm, 幅35cm, 高さ50cmのアクリル箱に変え, 地層の広がりを再現することで再現性の向上を図った(実験②)。この実験装置を用いて, 実験①と同様の手順で実験行った。実験②では水洞の形成と崩壊の過程の観察も行った。実験②では, 皿状構造の形成に必要である水洞の形成の達成に加え, 皿状構造の形成に成功した。このことから, 実験②での水圧は水洞の形成に適していたと判断できる。そのため, 水洞の形成には適当な強さの水圧が必要であることがわかった。今後は皿状構造の形成に成功した試行を増やし, 複数個の皿状構造が形成される時には, お互いがどのように関わりあって形成されるのかについて解明したい。キーワード:皿状構造, 再現実験, 難透水層, 浸透流

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  • Natural Science School, Earth Science School
    Session ID: J1-P-15
    Published: 2023
    Released on J-STAGE: April 10, 2024
    CONFERENCE PROCEEDINGS FREE ACCESS

    研究者氏名:牧野航大,磯野聖隆中新統師崎層群分布域である愛知県知多郡南知多町豊浜坂井の地先の海岸の地層の調査をしていて,2.2m以上の厚さがある凝灰質砂岩中に3層準で火炎構造がみられるのを発見した。最上位の火炎構造には方向性がある。鍵層として使うことを想定して,サンプルを採取,岩石カッターで薄切りし,立体的な構造を詳しく観察した。東西に延びる細かく浅い溝は南北断面でないと捉えにくいが,20cm程度の波長で大きく落ち込む構造は東西断面でも捉えやすい。その結果,南北断面はball-and-pillow structure に見えることが多く,東西断面では東側に先端の屈曲したflame structure またはload casts に見えることが多い。また,小さな溝の西側が太く深くなっており,Moretti M他(2001)によれば,堆積場は西側が高く,東側が低い斜面であった。<文献>Moretti M, Soria JM, Alfaro P and Walsh N,2001,Asymmetrical soft sediment deformation structures triggered by rapid sedimentation in turbiditic deposits (Late Miocene, Guadix Basin, southern Spain). Facies, 44: 283-294.キーワード:flame structure,load casts,ball-and-pillow structures,sedimentary structures,Morozaki Group

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  • Sanbongi agricultural Prefectural
    Session ID: J1-P-16
    Published: 2023
    Released on J-STAGE: April 10, 2024
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    研究者氏名:赤崎友哉筆者はテレビで地震速報をいつも見るうちに青森県階上町の震度が周辺地域よりも高くなりやすいのではないかという疑問を持った。そこでその疑問を検証するために気象庁が提供している震度データベースを活用し、過去10年間の地震を分析してみた。その結果、2013年以降階上町で震度2以上を記録した438回の地震のうち、階上町を取り囲む位置にある観測点5地点よりも階上町の震度だけが大きくなった地震は211回であり、その割合は48.1%にもなることが分かった。次に、階上町の震度だけが大きくなる地震には何か規則性があるのではないかと考え438回の地震すべてについて、階上町から見た震源の方向やその俯角、震源距離を求めて分析した。その結果、階上町の震度が大きくなる地震は、階上町から見た方向で北方向に震源がある場合に起こりやすいことが判明した(図1)。なお俯角と震源距離には規則性は見られなかった。最後に、階上町から見て北方向に震源がある場合に、階上町の震度が大きくなる原因を地質学的に分析した。20万分の1地質図幅「八戸」でこの地域の地質を確認すると、階上町の南部には階上岳を構成する巨大な白亜紀の花崗岩体が存在する。階上町の震度が大きくなる要素の1つとして、この花崗岩体が関係していると推測できる。

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  • Grobal Science School
    Session ID: J1-P-17
    Published: 2023
    Released on J-STAGE: April 10, 2024
    CONFERENCE PROCEEDINGS FREE ACCESS

    研究者氏名:畑 友馨,柳野こと,門戸春汰郎,中 ふうな,加藤亜依,渡部遥人私たちは、京都府京都市伏見区日野の山の歴史と地質について調査を行った。昨年は日野の山で見られる矢穴の空いた岩石について、どのように運搬されたのか考察をした。今年度は日野の山にある史跡「方丈石」について調査している。こうした調査の結果はパンフレットにまとめ、地域の方に配り、地質や歴史・文化に親しんでもらうことを研究活動の目的としている。日野地区は丹波帯I型地層群に位置していることが知られている。丹波帯I型地層群にはチャートや珪質泥岩、頁岩が分布している。歴史的な面では 、日野の山は『方丈記』の著者である鴨長明が住んでいたとされる方丈庵があり、その方丈庵の基礎となった方丈石があることで知られている。日野の山は地域の人も親しまれており、方丈石も地域の人に身近な存在となっている。また地域の人によると、日野の山には日野川と合場川の二つの川が流れており、縄文時代に文明が起こったとされている。地質学的にも歴史的にも日野の山は歴史深い山であるといえる。昨年は日野地区にある矢穴石について研究した。矢穴石とは昔、石垣の石材をとる際に楔を打ち込んで岩を割っており、その楔の跡がある石のことである。これまでの研究によって、日野地区における矢穴石の形から矢穴の彫られた時代について分かった。文禄時代のものとみられる広く、浅く、丸い特徴がある矢穴と慶長時代のものとみられる深く、四角い特徴がある矢穴があった。文禄時代の矢穴がある石は慶長時代の矢穴がある石よりも大きい。また、その内のほとんどが泥岩とみられる。伏見指月城の石垣の石の種類の―部と一致するため、実際に石垣の石として使うために掘られたと思われる。切り出されるはずの岩の重さを一つ推定したところ、4.9tという値が得られた。その時代に用いられていた「ころ」で運搬可能な重さと一致したため、ころを使って運搬していたのではないかと考えられる。今年度は方丈石について調査をしている。方丈石周辺から岩石を採集し、肉眼による観察をし、岩石種を調べた。方丈石はチャートでできていることが分かった。合わせて周辺の地質調査も行った。周辺にはチャートが多くみられた。方丈石に含まれる放散虫化石を調べ、方丈石の年代を明らかにしたい。この結果をまとめ、方丈石に訪れた人々が方丈庵の年代(人の時間)と岩石の年代(地球の時間)を感じ、訪れた人が地球のダイナミックさを体感することのできる機会をつくりたい。キーワード:京都市伏見区日野、丹波帯、歴史、地質、岩石

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  • Natural Science School
    Session ID: J1-P-18
    Published: 2023
    Released on J-STAGE: April 10, 2024
    CONFERENCE PROCEEDINGS FREE ACCESS

    研究者氏名:今井幹太、小川大輔、久保田守 岐阜県加茂郡白川町河岐(以下、白川口と表記)では、2020年7月8日と2021年8月14日に、飛騨川と白川の合流地点で氾濫が発生した。2018年7月8日にも増水し、氾濫寸前の状態となった。氾濫・増水は飛騨川に合流する白川で発生したが、2018年、2020年には白川流域では激しい降雨が確認されておらず、氾濫の原因はバックウォーター現象によるものだとされている。そこで、2018年、2020年、2021年の氾濫・増水について調査を行い、その発生の条件を解明することを目標とした。 白川口の氾濫は、飛騨川上流で降雨が多かったこと、合流点下流の飛騨川に狭窄があるため水位が上昇し、合流する白川の水の合流・流下が妨げられ滞水する(バックウォーター現象)ことで生じたと仮説を立てた。そこで、飛騨川上流域の8地点、白川流域の7地点の降水量と、飛騨川上流の上呂観測所、洪水が発生した地点の白川口観測所の2地点の飛騨川の水位記録を用いて氾濫発生前後の上流の降雨と白川口の水位との関係を調べた。2018年の増水では、飛騨川上流域では7月4日から降雨があり、7日22時から8日4時の間は8か所で総雨量が100㎜を超えた。上呂観測所では7日から8日の総降雨量が304 ㎜であった。白川流域では、7月4日~6日まではまとまった降雨が見られたが、7日にはあまり降雨がなく白川口観測所で8日6時に23㎜が観測されている程度である。白川口観測所の水位は4 m程度であったが、8日の2時から5時にかけて急上昇し、その後10時まで10 m以上となったが氾濫には至らなかった。 2020年の氾濫では、7月6日~8日の降水量は飛騨川上流の上呂観測所で570 ㎜、白川口観測所では299 ㎜であった。上呂観測所の水位は7日24時までは5.5 mで8日2時に7.4 mまで上昇したが、その後下降している。白川口観測所の水位は7日13時の5.5 m程度から上昇し、8日8時に10 mを超え、9時に11.3 mとなり氾濫した。氾濫の直前の8時に白川口観測所付近で41㎜の激しい降雨があった。 2021年の氾濫では、8月13日~14日の降水量は上呂観測所で422 ㎜、白川口観測所で346 ㎜であった。上呂観測所で14日20時に時間雨量33 ㎜、白川口観測所で21時に時間雨量35 ㎜の降雨があった。白川口観測所の水位は14日に入って急速に上昇し、16時には10 mを超え、23時には11.3mとなり氾濫した。 白川口観測所の水位の上昇は、上流の上呂観測所と比較して著しく大きい。上呂付近では飛騨川の川幅が比較的広いのに対し、白川口から下流には「飛水峡」と呼ばれる狭窄部となっている。そのため、河川流量が増加すると水位の上昇が生じる。そのため飛騨川上流での降雨により飛騨川の水位が上昇することにより、合流する白川の水は合流・流下が妨げられる。2018年の白川口での増水は飛騨川の上流の降雨による。2020年の氾濫は、飛騨川上流の降雨により氾濫寸前まで水位が上昇しているところに、白川流域で激しい降雨があり、氾濫を生じた。2021年の氾濫は、飛騨川流域、白川流域ともに大雨となり、飛騨川の水位が上昇し、白川の水が滞水したためと考えられる。白川口での増水・氾濫は、 1.飛騨川上流で大雨が降る 2.上流からの雨水が白川口へ到達し、飛騨川の狭窄部にて流れ切れなかった雨水により水位が上昇する。(第一のバックウォーター) 3.合流点にて水位が上昇した飛騨川に白川からの水が流れ込むことができず白川の水位が上昇する。(第二のバックウォーター)といった順序で氾濫が発生したと考えられる。キーワード:氾濫,バックウォーター現象,狭窄,豪雨,飛騨川、白川

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  • Natural Science School
    Session ID: J1-P-19
    Published: 2023
    Released on J-STAGE: April 10, 2024
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    研究者氏名:高橋絢子、富田木乃香、佐藤愛子 月食は地球の影が月に投影される現象であり,月食画像の地球の影と月の大きさを比較により月の実際の大きさを推定することができる.月食の進行にともないどの程度「食分」が進んだ時の画像が適切なのかを確認することを行った. 月食では,半影と本影の境界が明瞭でないため,画像処理ソフトを用いてポスタライズ処理し,明るさを階調に分けることで本影の輪郭をはっきりとさせた. 画像ソフトを用いて1つの画像ファイルにつき月の円周上,地球の本影の輪郭の上のそれぞれ任意の4点の座標の計測を50回ずつおこなった.計測した2点の座標を結ぶ直線の垂直二等分線を用いて月や地球の影の中心を求め,これから円の公式を用いて月の半径rと地球の影の半径Rを求めた.これらの作業では表計算ソフトを使用した. 月食では半影が生じる分,本影の大きさは月の大きさ一つ分小さくなっている「高校生天体観測ネットワーク(2011)」.地球の半径を6,370 kmして,画像上の月の半径rと本影の半径Rから,月の半径を求めた.     月の半径 = 6,370r/(R+r) 2022年11月8日21:15に国立天文台が撮影した画像をポスタライズ処理した画像を用いて計測・計算した結果,月の半径は1,731 kmとなった.月の大きさ1,737 kmに非常に近い値となった.同様に2018年1月31日21:34にぐんま天文台が撮影した画像を用いた計測・計算では,月の半径は2,298 kmとなった.岐阜県立加茂高等学校(2014)による2014年10月8日21:12撮影の画像から1,766 kmが求められている. 本影によって覆われた月の直径の度合いである「食分」は,食分が大きくなるほど月食の割合が大きく,本影が月の中心まで達した状態が食分0.5,皆既月食中は食分が1を超える.2022年11月8日21:15では食分が0.51,2018年1月13日21:34では食分が0.79,2014年10月8日21:12では食分が0.33であった.月の半径の誤差が大きくなった2018年の画像では,食分が0.79と大きいため,隠されていない月の円周の弧が短くなり,月の中心を求めたときに誤差が大きくなったと考えられる.食分が小さいときには,地球の影の輪郭はわずかであり,地球の中心を求めたとき誤差が大きくなると考えられる. 他に,クレーターや月の海によって地球の影の輪郭が滑らかな曲線とならないことも誤差を生じる原因となっている.また,撮影の露出時間によっては,地球の大気によって屈折した光が本影部分にあたっている部分まで写っていて本影との境界が分かりにくくなることも誤差を生じる.キーワード  月食 月の半径 画像処理ソフト 表計算ソフト ポスタライズ 食分

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  • Senior high University
    Session ID: J1-P-20
    Published: 2023
    Released on J-STAGE: April 10, 2024
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    研究者氏名:森田光織 北海道白金青い池は、十勝岳の防災工事による堰堤に水が溜まってできた人工池である。その青さは地形と地質による奇跡である。底に滞留した微粒子が光を反射し、コロイドが光を散乱して青く見えるとされる。コロイドは一般にはAl(OH)₃とされる。山中2015では青い池の分析がされ、高貝・阿部2014では青い池の蛍光X線スペクトルの解析結果から珪酸Alのコロイド微粒子が存在し池を青く見せると示唆される。しかし珪酸とAlが単独で存在するか珪酸Alとして存在するかは特定されていない。本研究では再現実験を通して理由解明を目的とした。 美瑛川の水の分析について。肉眼で無色透明、pH=5.7。レーザー照射によると散乱がありコロイド溶液である。容器を振らないときと比べ容器を振ったときは光の道筋がはっきりすることで沈殿していたコロイドが分散したと考えられる。仮説。Al(OH)₃の沈殿を用いて実験した。Al(OH)₃のコロイドと珪酸塩(水ガラス)のコロイドを共存させるためにAl(OH)₃と水ガラスを混ぜると白濁に近いがやや青く見える溶液が生成された。Al(OH)₃と珪酸塩の共存で水溶液と青い池が青く見えるという仮説を立てた。上澄みだけでは無色透明に見える。そのため青い池と同様に沈殿物による反射とコロイドによる散乱により青く見えると考える。 結果。NaOHによる沈殿量と色の変化。 実験方法:Al(NO₃)₃[0.1mol/L 100mL]、NaOH[1.0mol/L]を反応させてAl(OH)₃を生成した後、水ガラス[18.9g]を混ぜる。Al3+を含む溶液にOH-を少量加えるとAl(OH)₃の沈殿が生じ、過剰量のNaOH水溶液を加えるとテトラヒドロキソ酸錯体を形成して溶解し無色に戻る。ここでNaOHによる沈殿の量と溶液の色の見え方について考察した。実験よりAl(NO₃)₃[0.1mol/ 100mL]に対しNaOH[1.0mol/L 34mL]の時最も多く沈殿する。結果はNaOH[40mL]での透過スペクトル分析は美瑛川とほぼ一致した。 NaOH[54mL]で溶液は作成時にほぼ無色透明であったが、翌日は底に沈殿があり溶液は青く見えた。時間を経たことでCO₂を吸収またはCO₂を吸収し水ガラスと反応し沈殿ができた可能性がある。後者なら珪酸Alが生成されている可能性もある。透過スペクトルは美瑛川と一致しないが肉眼では青く見える。この水溶液は塩基性である。考察と今後の課題。水溶液が青く見える理由に青い池と同様に光が沈殿に反射してコロイドにより散乱されている可能性がある。青い池に環境を近づけ沈殿により青く見える可能性を調べるために堆積物を敷いて検証を行う必要がある。NaOH[40~54ml]で透過スペクトルが一致し青色に見える可能性がある。また、水ガラス由来のNaOHで青く見える可能性もある。美瑛川の水(他の川と合流後)はpH=5.7であるが実験の水溶液は塩基性。この齟齬に関して更なる研究が必要である。引用文献高貝慶隆・阿倍遼太,2014.湖面の青色色彩に関する五色沼と北海道美瑛川青い池の化学的類似性と相達点について.共生のシステム,14,80-87.福島大学学術機関.山中 勝,2015.名水を訪ねて(111)道北の名水.地下水学会誌57,533-545.謝辞。国土交通省北海道開発局旭川開発建設部の高貝一義様・濱中昭文様には美瑛川の水の入手についてご協力をいただいた。また中央大学附属高等学校武市雅至・佐々木亮・田島丈年・三輪貴信ほか各教員に実験・発表指導を賜った。ここに感謝申し上げる。キーワード:青い池・スペクトル・水酸化アルミニウム・コロイド・珪酸アルミニウム

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  • Earth science school
    Session ID: J1-P-21
    Published: 2023
    Released on J-STAGE: April 10, 2024
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    研究者氏名:児嶋 悠斗 千葉県北部の地形の大部分は,約12万年前の海底が隆起してできた下総台地と縄文時代に海底だった低地から構成される.この下総台地と低地の縁にあたる急崖からは,湧き水が湧出しており,この湧き水は,涵養域にあたる台地に降った雨が地下に浸み込み,地下水となったものである.この急崖から湧き水が湧出する現象は,丘陵や台地内にある各段丘面の急崖や台地と低地の縁の急崖において,普遍的に見られるものである. 急崖からの湧き水を調査することは,湧き水をつくる涵養域の環境を知る上で有効的な指標となることが知られている.例えば,成宮ほか(2009)は,東京都西部の日野台地および多摩丘陵において豪雨後と晴天時の水質の比較を行い,水温の季節変化の大きな湧水は豪雨後,湧出量が増大して上で電気伝導度が明瞭に低下したが,季節変化の小さな湧水はこれらの値に変化が見られないことを明らかにした.また,松山ほか(2019)は東京都西部秋留台地において湧水の涵養域環境の変化(例えば,農地面積の減少,下水道普及率の上昇)が水質に影響を与えることを示している. 本研究の調査地域である美濃輪湧水は,千葉県市川市北東部に位置し,下総台地の縁の急崖から豊富に湧き水が湧出する場所の1つである.美濃輪湧水については,Thiほか(2009)が雨水浸透施設を用いた注水と湧出量の量的検討を行っており,涵養域を明らかにしている.また,宇山(2022)は2020年9月から2022年1月に美濃輪湧水の降水と水質の関係性,美濃輪湧水の水温の季節変化について明らかし,美濃輪湧水の湧出特性の検討を行っている.その結果,美濃輪湧水の水温は夏期のみ高くなるという特異的な傾向があることを明らかにし,さらに気温のピークよりも先に水温のピークが現れることを示した.しかし,この結果は台地の縁から湧出する一般的な湧き水には見られない特徴であることから,原因追求を目的として池田ほか(2022)が追加調査を行っている.その結果,2022年4月から8月の水温は,ほぼ一定であり,宇山(2022)が示している秋や冬の水温と比較しても大きな違いはないことから,水温は年間を通してほぼ一定で夏期のみ水温が高くなることはないと結論付けている.このことから,宇山(2022)が観測した2021年夏期のみ水温が高くなった原因の究明には至らなかった. そこで,本研究では宇山(2022)が示した2021年夏期に現れた水温上昇の原因追求を目的として美濃輪湧水のデータを継続的測定した結果を公表する.測定しているデータは,宇山(2022)や池田ほか(2022)と同様の測定方法及び同じ機材を用いて,気温,水温,pH,RpH,電気伝導度を計測した.なお,現段階で2023年夏期も顕著な水温上昇は見られていない.しかし,2022年11月上旬から中旬の時期のみ水温が約2.0℃高くなることが観測された.この期間の水温上昇は,宇山(2022)では測定されていない.つまり,美濃輪湧水は夏期に特異的な温度上昇を示すのではなく,涵養域における何らかの環境要素が要因で季節変化に関係なく,水温上昇を起こす湧き水であると考えられる.なお,本研究の水温上昇時期の気温は水温よりも低く,再確認も行っているので測定ミスの可能性はない.本発表では,この水温上昇の原因追及として,涵養域の調査や降水量との関係について検討した結果・考察を発表する予定である.【引用文献】池田幹央ほか,2022,日本地質学会第129年学術大会第20回日本地質学会ジュニアセッション.;松山 洋ほか,2019,水文・水資源学会誌,32,231-244.;成宮博之ほか,2009,水文・水資源学会誌,22,223-234.;Thi Haほか,2009,第17回地球環境シンポジウム講演集,17,121-130.;宇山李紗,2022,日本地球惑星科学連合2022年大会.【keyword】美濃輪湧水,下総台地,市川市

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  • Science Club School
    Session ID: J1-P-22
    Published: 2023
    Released on J-STAGE: April 10, 2024
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    研究者氏名:2年 徳丸亮汰・本田琢磨・新宅草太・小林 瑞/1年 米田直人・村上聖真・吉田大暉・西川幸輝1.不知火とは何か 不知火現象とは、不知火海で八朔(旧暦8月1日)に見られる現象である。親火と呼ばれる光源が大きくなって(盛火)それが二つに分かれ(分火)つながって見える現象とされている。科学的に未解明の減少で、40年近く研究がなされていない。2.疑問1:今、不知火は見られるのか?(1)観測方法・記録 不知火現象の観測を行うため、2022年8月27日夜から28日早朝、永尾神社の観望所と海岸の二地点で、大島方面に向けて観測を行った。(2)観測結果 不知火現象のように、光源が横につながって見える現象は確認できなかった。しかし、時間が進むにつれて光源の数が0→1→2と増えていく現象を確認できた。どのような原理でこの現象は発生したのだろうか。3.疑問2:観測した現象の原理は?(1)不知火海で発生する蜃気楼の概要 干潮時刻前に観測できた、光源が二つに見える現象は、昼間に温められた海面と、気温との温度差による空気の密度差が光を屈折させ、二つの光路が交差したときに、光源が反転して見える下位蜃気楼が発生する。(2)シミュレーションを用いた光路の説明①光源が町明かりで、海岸で観測を行った場合 A.海面と気温に温度差がない場合  光は直進するが、地面を基準にすると地球の丸い効果によって光路が曲線になる。よってある程度高い場所でないと、光源が見えない。 B.海面と気温に温度差がある場合  ア.シリコンラバーヒーターによる温度の計測   観測時の温度層を再現するために、ヒーター上の気温の鉛直分布を計測した。海面と気温の温度差(約4.3℃)をヒーターの温度と室温との温度差に近づけて計測を行った。  イ.温度差がある場合のシミュレーション   光が海面付近で曲げられ、直接光と屈折光(反射光)が交わり、下位蜃気楼が発生するといえる。また観測された現象は不知火海での大きな潮位の時間変化による「浮島現象」であると科学的に説明できる。②現代に漁火があり、観望所で観測を行った場合 以前、不知火が見られた頃の光源は漁火だった。光源が漁火で低位置だった場合、”温度層“の影響を受けやすく、より光が屈折する。よって現代でも不知火が発生し、海岸では見られないが、観望所では見ることができるかもしれない。4.疑問3:不知火の再現はできるのか?(1)実験方法・工夫 野外で不知火を観測することはできなかったが、室内でヒーターや扇風機などを用いて実際の不知火海に見立て、再現実験を行った。(2)結果①光源が横方向に分火した側方蜃気楼が見られた。②視線方向の微風を流すと2つの光源がつながり、伸縮した。③風を強くすると、下位蜃気楼になった。(3)再現実験から考える不知火の発生・観測条件①海面水温と気温に十分な気温差がある。 ②冷たい河川の流入③視線方向の微風            ④海面より少し高いところ5.研究結果・今後の展望 40年ほど観測や研究がなされていない不知火について実態を把握し、鮮明な写真・動画の記録を撮った。以前はなかった超望遠レンズやシミュレーション、ヒーターなど最新の機器を用いて、科学的に不知火に迫った。今後は舟を出してもらい、漁火を使って実際に不知火の撮影を行う。また気温のムラについてもっと調査を行いたい。キーワード:不知火現象、シミュレーション、側方蜃気楼、再現実験、シリコンラバーヒーター

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  • Science Club School
    Session ID: J1-P-23
    Published: 2023
    Released on J-STAGE: April 10, 2024
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    研究者氏名:2年 新宅草太・小林 瑞・本田琢磨・徳丸亮汰/1年 米田直人・村上聖真・吉田大暉・西川幸輝1.目的不知火現象の観測所である永尾剣神社で吹く風を知りたいが、永尾剣神社付近には気象庁の観測所がない。そこで不知火海で吹く風を調べ、永尾剣神社で吹く風を推測する。2.1日の中での風の特徴方法 2011~2020年(10年間)の風向、風速を時間別にまとめる。①地点:松島 ②天候:降水量が0の時 ③季節:1、2月 結果 昼は北東からの強い風、夜は南西からの弱い風が吹いている。北東の風は海から、南西の風は陸から吹く風であることが地図を見るとよくわかる。考察 風向・風速が昼夜で逆になる特徴、陸と海の位置関係から松島で吹いている風は海陸風だと考えられる。3.1年間での風の特徴方法 10年分(2011年~2020年)の気象データをそれぞれ月ごとにまとめる。①地点:松島、八代 ②天候:降水量が0の時③時間:1~3時(夜)、13~15時(昼)結果 夜は弱い陸風、昼は強い海風が多くなっている。特に、昼の松島では冬に強い海風が多く、八代では夏に多い。考察 不知火海を挟んで対岸にある両地点で昼夜の風の特徴が逆になっており、不知火海を中心として海陸風が生まれていることが分かる。4.永尾剣神社で吹く風 永尾剣神社は不知火海の北に位置する。よって、永尾剣神社でも海陸風が吹いているならば、夜は北からの弱い風、昼は南からの強い風が吹いていると予想される。しかし、宇土半島は南北に3~10㎞の陸地に200mほどの山が連なっており、北側に位置する有明海と南側の不知火海とを隔てている。陸としての機能を果たし、海陸風が吹いているかは、現在のところ、よく分からない。そこで、今後は、夜と昼において、宇土半島の北側と南側の地点で、自前で風のデータ収集を行い、宇土半島が陸として機能しているかを明らかにしたい。また、夏と冬での季節風の要因について明らかにしたい。5.まとめ不知火海では海陸風が吹いている。しかし、宇土半島が陸として機能しているのかどうかは、未だに分からない。そこで今後は、宇土半島の北側と南側で風の実地調査を行いたい。6.キーワード永尾剣神社、不知火海、海風、陸風、海陸風

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    Session ID: J1-P-24
    Published: 2023
    Released on J-STAGE: April 10, 2024
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    研究者氏名:2年 本田琢磨・徳丸亮汰・新宅草太・小林 瑞/1年 米田直人・村上聖真・吉田大暉・西川幸輝1.はじめに~浮島現象とは~ 海面上に発生し、沿岸の陸地や島などが浮いて見える下位蜃気楼の一種。昼間に日光で温められた海水の影響を受け、海面付近の空気と上空の空気とで温度差がうまれ、大気中の光の屈折により像が反転し、虚像が見える自然現象である。観測点の高さや気温と海水温に差があるなどの条件がそろうことで見ることができる。2.研究の目的 熊本の不知火海で見ることができる浮島現象を観測していたときに、どのような条件がそろえば、さらに浮いた浮島が見られるのかと考え、過去の浮島観測から考えた①気温と海水温の温度差がある、②観測点の高さが低い(海岸付近)、③適度の距離という条件を再現実験を通して観測・発生条件を探ろうと考えた。3.研究の方法 ヒーターや温度調節器から自作の再現装置を作り、①ヒーターの温度②観測点の高さ③ヒーターの長さを調べる。それぞれの条件による違いを調べるため、共通条件を定め対照実験を行う。4.研究結果A 浮島の発生条件①ヒーターの温度が高くなるほど、②観測点が低いほど、③ヒーターを長くするほど対象が浮いて見えた。それぞれの浮き具合の数値化すると、観測点の高さによる変化が大きく、実験から観測点の位置が低くないとそもそも見ることができないことがわかった。B 浮島の発生原理(1)ヒーター上の気温の鉛直分布を調べ、蜃気楼の発生要因となる“温度層”の計測を行った。ヒーターの温度が高くなると、気温変化する“温度層”の厚さが厚くなり、温度変化による密度差で光は屈折するため、蜃気楼が発生するのを確認した。(2)シミュレーションを用いた光路説明 A. 海面と気温に温度差がない場合光は直進するが、地面を基準にすると地球の丸い効果によって光路が曲線になる。よってある程度高い場所でないと、光源が見えない。 B. 海面と気温に温度差がある場合  ア.シリコンラバーヒーターによる温度の計測  観測時の温度層を再現するために、ヒーター上の気温の鉛直分布を計測した。海面と気温の温度差(約4.3℃)をヒーターの温度と室温との温度差に近づけて計測を行った。  イ.観測点の高さが低いとき  海面と気温との温度差による空気の密度差が光を屈折させ、二つに光路が交差したときに、対象が反転して見える浮島が発生し、ある程度高い場所にあるものでも反転して見えることがわかった。  C.観測点の高さが高いとき  対象物の下ほうが少し反転して見えるが、低い場所と比較すると見えづらいと言える。5.一番浮島が見られる時期や場所は? 実験からわかった条件によると永尾神社から①冬の早朝に②海岸付近で③大島方面を見ると最も浮いた浮島現象が見られると考えた。③に10km程度の距離が必要であることがわかった。6.結論および成果 浮島現象を再現し、記録することに成功した。浮島現象の発生・観測条件は①気温と海水温の温度差があり、②観測点の高さが低い、③適当な距離があることが必要であると考えた。また最も浮島が浮いて見られるのは①冬の早朝に②海岸付近で潮位が満潮に近い時③観測対象まで10km程度の距離が必要であることがわかった。海面上は、気温が急変して密度変化がある。それにより、海面付近を通過する光は屈折し、浮島現象が発生することが確認できた。また、排除が難しい地球の丸い効果を除くことで、光の屈折による浮き具合の変化のみを調べることができた。7 今後の展望 風(風速、風力)が上位蜃気楼の発生に影響するとされており、ヒーターを用いた上位蜃気楼の再現実験を行いたい。キーワード:浮島現象、蜃気楼、シミュレーション、再現実験、数値化

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  • Science Club School
    Session ID: J1-P-25
    Published: 2023
    Released on J-STAGE: April 10, 2024
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    研究者氏名:羽田野優 田中颯人 嘉部陽日 増田結菜 小野沢克 上原奈津実 小林菜々美 荻原優歌子 山本悠生 月岡想一朗 吉田楓矢 小林楓 宮本有彩目的・校舎建て替えのために平成22年に実施された地盤調査のボーリングコア30mを用いて飯山高校周辺の堆積環境・地形発達史を考察する.・1847年善光寺地震の際に生じたと考えられる段差(杉戸,2013)が学校周辺に存在し,断層が学校の地下に存在する可能性もある(図1)ため,断層の存在を明らかにする.研究方法①ボーリングコアの観察・記載と堆積相解析 ボーリングコア 30m分を詳細に観察(色・粒径・粒ぞろい・堆積構造・ラミナなど)・記載し,柱状図を作成し,堆積環境とその変遷を考察する.②火山灰分析 ボーリングコア 5 cmごとに火山灰分析(深度別火山灰砂粒組成を導出)を行う.火山灰分析は,わんがけ(泥を洗い流す),乾燥,ふるいわけ,双眼実体顕微鏡による検鏡,粒子の同定とカウントを行い,砂粒組成を導く.砂粒組成からボーリングコアと既知の年代が明らかな広域火山灰との照合を行う.③14C放射年代測定 堆積物に植物片が含まれている部分が複数箇所あるため,堆積年代を明らかにするために14C放射年代測定を行う.④断層の存在・変位について考察学校から南南東約 2.5kmの千曲川右岸では広域火山灰である姶良丹沢(AT)火山灰(約3万年前)・浅間草津火山灰(約1.6 万年前) が検出されており,学校から南に約1kmの同一段丘面上の地下約13mの年代は約3.9万年前と報告されている(杉戸他,2015).これらの周辺の資料と飯山高校のボーリングコアの情報から断層の存在・変位について考察を行う.結果と考察①ボーリングコアの観察・記載と堆積相解析 ボーリングコアは固結〜未固結の礫・砂・泥の堆積物であった.その観察から堆積相解析を行った.飯山高校は,千曲川から約200m西,千曲川の支流である皿川から約200m南に位置する.地理的な環境から,ボーリングコアで見られる堆積物は皿川と千曲川両河川の影響を強く受けた河川成堆積物であると考えられる. -28m〜-21mでは,上方粗粒化しその後上方細粒化するサイクルが2回見られた.-21m〜-16mで上方粗粒化が2回見られた.-10m〜0mでは,上方細粒化しその後上方粗粒化するサイクルが3回見られた.河川成の堆積物は,河川からの距離が近いと礫,遠いと泥が堆積する.シルトから礫と移り変わる上方粗粒化は,河川と飯山高校の距離が近くなったことを示し,礫からシルトと移り変わる上方細粒化は,河川との距離が遠くなったことを示すと考えられる.よって,河川が流路を変化させながら堆積させたものだと考えられる.②火山灰分析-23.5mでは紫灰色細粒火山灰が観察できた.わんがけ,ふるいわけし,双眼実体顕微鏡で観察したところ,ほとんどが風化した安山岩片であった.14C年代測定値を参考にし,噴出源と堆積年代を明らかにし,報告する予定である.③14C放射年代測定-23.5mに存在する紫灰色細粒火山灰の下位15cmの有機質シルトに含まれる植物片の14C放射年代測定値を報告する予定である.④断層の存在・変位について考察①②③を総合して考察し,報告する予定である.今後の予定飯山高校ボーリングコア30m分全ての火山灰分析を行う.学校周辺の地下構造を明らかにするために表面波探査を実施する予定である.引用文献杉戸信彦(2013)1847年善光寺地震の地表地震断層に関する既存資料の整理,法政大学人間環境論集,14,3,p.171-194杉戸信彦・廣内大助・塩野敏昭(2015)長野盆地西縁の変動地形と活断層,地質学雑誌,121,7,p.217-232地理院地図(電子国土Web)https://maps.gsi.go.jp/(2023年7月30日閲覧)謝辞 本研究は,2023年度飯山市高校生チャレンジ,2023年度長野県学校科学教育奨励基金の補助のもと行っています.キーワード:ボーリングコア 柱状図 火山灰砂粒組成 堆積相解析 善光寺地震

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