産業保健において高年齢労働者,メンタルヘルス,労働生産性や健康増進への対応のため,人的資源の不足や推進体制の確立は急務となっている.近年では,産業保健の新しい役割に活用すべき職種として理学療法士の名称が記載されることが増加している.
2021年に設立された日本産業理学療法研究会は,転倒・腰痛予防および健康増進の好事例発掘,学術的知見の蓄積,ガイドライン作成を開始している.本稿では,国内の制度や期待される役割を説明しながら,理学療法士による産業保健の新しい活動を紹介する.
本邦では少子高齢化の進展に伴い,労働人口に占める高年齢労働者の割合が急速に増加している.高年齢労働者は特有の安全と健康に関する課題を有しており,高年齢労働者が安心して安全に就労するためにはそれらの課題を解決していく必要がある.筆者らはそれらの課題について,リハビリテーションの専門職種である理学療法士の専門性の応用が可能であると考えている.本稿では高年齢労働者の安全と健康に関する課題について,どのような形で理学療法士の専門性を応用可能であるかを解説する.
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