Medical Gases
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最新号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 前田 和也
    2024 年 26 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2024/06/01
    公開日: 2024/06/11
    ジャーナル フリー
    医薬品である酸素,窒素,二酸化炭素,亜酸化窒素等の医療用ガスは,命を支える重要なライフラインである。ガス性 医薬品は厚生労働省所管の医薬品医療機器等法で規制される医薬品であるとともに,経済産業省所管の高圧ガス保安法で規制される高圧ガスでもある。この高圧ガスの大部分は産業ガスとしても使用され,鉄鋼,化学,エレクトロニクス,飲料・食品,建設・機械等,あらゆる工業分野で利用され,モノづくりを支える非常に重要なインフラである。  酸素,窒素,アルゴンは空気を原料とし,深冷分離法,吸着分離法,膜分離法等物理的に分離・精製し,産業ガス・医療ガスとして様々な分野で使用されている。一方,水素,二酸化炭素,酸化エチレン,亜酸化窒素等は,化学反応による製造や工業プロセスからの回収・副産物として精製・供給している。 産業ガス・医療ガスの市場規模は全産業に対し,ごく僅かではあるが,その用途は全産業に亘り活用され,欠かすことのできない製品である。  本稿では,実は経済的・社会的に不可欠なインフラとして医療分野や工業分野等,様々なところで活躍する高圧ガスに ついて,その製造・輸送・利用方法等紹介する。
  • 嶋田 哲也
    2024 年 26 巻 1 号 p. 8-14
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/06/11
    ジャーナル フリー
    非心臓手術の周術期血圧と術後合併症発生率との関係性に関する現時点での研究報告に基づくと、1) 不必要な周術期 低血圧は避けるべきである、2) 周術期低血圧と術後合併症発症の因果関係の有無は、今後の大規模 RCT の結果を待つ必要がある、3) 術中低血圧を「予測」するソフトウェア (HPITM)が利用可能である、4) 病棟での術後低血圧の発生予測は困難である。
  • 東 星一, 朝元 雅明, 赤刎 真一, 江坂 真理子, 大辻 幹哉, 内田 寛治
    2024 年 26 巻 1 号 p. 15-18
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/06/11
    ジャーナル フリー
    2007 年から 2020 年までの全身麻酔手術患者について,ラリンジアルマスクを用いた症例(L 群 2,179 例)と気管挿管 した症例(N 群 6,048 例)のリーク率を比較した。L 群のリーク率の分布は右裾が大きかったが,ピークは N 群より小さ かった。L 群の分布の右裾をラリンジアルマスクのフィット不良由来と解釈すれば,ラリンジアルマスクはフィット良好 であれば,気管挿管とリーク率が同程度と考えられた。
  • 中村 武瑠, 伊藤 太助, 越川 翠, 冨永 浩史, 平林 則行, 小山 祐果, 鈴木 悠太, 長田 大雅, 森﨑 浩
    2024 年 26 巻 1 号 p. 19-21
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/06/11
    ジャーナル フリー
    人工肺を用いた ECMO 管理では、変化する流量や代謝に応じて適宜人工肺の換気調整が必要であった。また、ガス交 換能低下を防ぐためガスフラッシュを行うことが一般的だが、一時的なアルカレミアやガス流量設定のミスの可能性が あった。吹送ガスに中央配管による二酸化炭素を加え、人工肺に流すガスを恒常的に高流量化することで、設定ミスのリ スク低下、人工肺の性能維持やガス交換の安定化など、より安全な管理を行えるようになった。
  • 高田 祐太郎, 江間 信吾, 川村 茂之, 加茂 嗣典, 木村 竜希, 高柳 拓, 瀧山 弘也, 中村 元春, 長末 鉄平, 鈴木 勘太, ...
    2024 年 26 巻 1 号 p. 22-24
    発行日: 2024/06/01
    公開日: 2024/06/11
    ジャーナル フリー
    INTERSURGICAL 社から販売されている二酸化炭素吸着剤 LoFloSorb と SPHERSORB について性能評価を行なった。 二酸化炭素吸着量の比較では,SPHERSORB が LoFloSorb の2 倍程であった。変色後 12 時間経過時に色戻りの程度を調査し,SPHERSORB は変色部のすべてで色戻りした。一方で,LoFloSorb ではほとんど色戻りしなかった。これらの特徴は強塩基性物質の添加の違いであり,それぞれの特徴に一致した。それぞれのメリットとデメリットを理解し,製品の選定 を行うことが重要である。
  • 伊藤 太助, 中村 武瑠, 越川 翠, 冨永 浩史, 平林 則行, 青木 真理, 生駒 祐介, 長田 大雅, 森﨑 浩
    2024 年 26 巻 1 号 p. 25-27
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/06/11
    ジャーナル フリー
    当院では半閉鎖型麻酔器(麻酔器)を用いた NO 療法において,NO 濃度を安定させるため,フレッシュガス流量(FG 流量)の設定を分時換気量(MV)に 2L/min 追加した流量で管理してきた。しかし,その管理方法に妥当性がなかった ため,FG 流量と MV を変化させた時の NO 濃度の安定性について検討した。結果,FG 流量が少ない時,NO 濃度は経 時的に上昇した。また,2L/min までは FG 流量が多くなるほど NO 濃度は安定し,NO 濃度の設定値と測定値の差は少な くなった。
  • 田島 行雄, 曽我 仁, 若山 義信, 佐伯 浩司, 齋藤 繁
    2024 年 26 巻 1 号 p. 28-30
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/06/11
    ジャーナル フリー
    医療ガスは,患者の治療に必須であり,かつ簡便に使用ができるように整備されている医薬品の一つである。また,日々 の臨床で重要な役割を果たしているが故に,災害発生時やトラブル発生時に使用ができないということがあってはならな い。また,その場合の対応を熟知しておく必要が求められる。しかし,多くの場合,いつでも使用できるのが当然と認識さ れているため,トラブル時の対応を把握している医療従事者は限られている。そこで当院では医療従事者に対し、医療ガ ス研修会を開催してきた。今回,この研修会について振り返りを行ったので報告する。
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