奈良理学療法学
Online ISSN : 2436-6250
Print ISSN : 1883-5546
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巻頭言
原著
  • 東 勇希, 眞野 智生, 鶴田 佳世, 谷野 有紀, 芹生 直人, 北村 哲郎, 城戸 顕
    2024 年 16 巻 p. 2-13
    発行日: 2024/03/18
    公開日: 2024/03/18
    ジャーナル フリー

    目的:併存疾患が急性期外傷性頸髄損傷患者の入院中の機能改善の阻害因子となり得る可能性について調査した。

    方法:急性期外傷性頸髄損傷患者を後方視的に調査した。併存疾患をCharlson Comorbidity Index(以下,CCI)にて定量化し,筋力,座位及び歩行機能,ADLの変化などとの関連を調べた。また,CCI高低値群の2群にて,背景因子や入院中の運動機能の変化などを比較した。

    結果:26名(男・女;21・5,平均年齢67.3±18.0)を解析対象とした。CCI低値群はCCI高値群と比較して, ASIA motor score,座位及び歩行機能,ADLの改善度が高く,座位及び歩行機能の改善度も有意に高かった(p<0.05)。年齢は,下肢筋力と座位機能の改善度と負の相関を認め,CCIは,上下肢の筋力,座位及び歩行能力,ADLの改善と負の相関を認めた。また,改善度は介入期間と正の相関を認めた。

    結論:外傷性頸髄損傷患者の急性期病院での機能改善に,年齢や介入期間以外に併存疾患も関連する可能性が示唆された。

症例報告
  • 神田 孝祐, 北村 亨, 山本 浩貴, 福岡 弘崇, 石橋 雄介, 森安 博人
    2024 年 16 巻 p. 14-22
    発行日: 2024/03/18
    公開日: 2024/03/18
    ジャーナル フリー

    目的:重度サルコペニア状態にあった潰瘍性大腸炎患者に対する血液学的所見・栄養状態に留意した理学療法の経過について報告する。症例紹介:60歳代男性。理学療法開始時のGeriatric Nutritional Risk Index(以下,GNRI)は65.9点で,重度栄養障害リスクに該当した。膝伸展筋力は左右ともに5.7 kgf,日常生活動作(Activity of daily living:以下,ADL)は全介助であった。

    経過:管理栄養士により算出されたエネルギー・蛋白質充足率を栄養指標として運動負荷の調整を行った。その結果,最終評価ではGNRI 81.4点,膝伸展筋力9.3/10.8 kgfと改善を認めた。また,移乗は最小介助にて可能となり,監視での歩行器歩行が可能になった。

    考察:本症例は中心静脈栄養の副作用や,腸管不使用による消化器症状を呈されていたが,栄養状態・腸管機能に配慮した運動を実施することで,ADLの改善に繋がったと考える。

総説
編集後記
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