第1報ニ於テ余ハ單純水浴 (淡水PH=7.62. 全身浴) ヲ行ヒテ温浴ノ創傷治癒ニ及ボス影響ニ就テ檢索シ. 温度ト入浴方法其當ヲ得レバ創傷治癒ヲ促進シ得ルコトラ觀察シ得タルヲ以テ, 更ニ生理的食鹽水浴ニ於テモ同樣ノ條件ヲ斷言シ得ルカニ大就イテ實驗セリ。
創傷作成或ハ測定法ハ第1報ト全ク同一ニセリ。
1. 生理的 (0.85%) 食鹽水浴ニ於テ創傷治癒ニ對シ最良ノ入浴温度ハ淡水浴ト略同樣ナリ。即37度附近ニ於テ最モ優良ニシテ, 42度次位ニ在リ20度ハ最低位ナリキ。
2. 入浴時間ノ長短亦影響アリテ, 入浴温度ト關係ヲ有シ, 長キニ過グル時ハ不良ナル成績ヲ得, 5-10分ニ於テ好影響アルヲ見タリ。
3. 入浴囘數モ亦創傷治癒ニ對シテ甚大ナル影響ヲ及ボシ, 囘數ヲ増スコト必ズシモ好結果ヲ齎ラサズシテ1日2囘入浴ヲ限度トシ, 3囘入浴ハ必ズシモ好影響アルモノニアラズ。
4. 一般ニ生理的食鹽水全身浴ノ創傷治癒ニ及ボス影響ハ單純水浴ノ其レヨリ好結果ヲ齎ラスモノナルコトヲ知レリ。
5. 入浴ノ方法ヲ考案スレバ多少ノ入浴時間ヲ伸バシ得ルモノニシテ. 所謂斷續浴ハ一般ニ成績優良ナリキ。
6. 冷温交換浴ハ優良ナル成績ヲ擧ゲタリ。
7. 生理的食鹽水浴ニ於ケル創面ノ膨化度ハ單純水浴ノソレヨリ小ナリ。
8. 入浴温度, 時間, 囘數ハ互ニ密接ナル關係ヲ有シ離スベカラザルモノナルコトヲ知レリ。即チ37°c-10-5分-1囘ノ入浴方法ハ常ニ創傷治癒ニ對シ最良ノ效果ヲ來セリ。

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