【目的】 新型コロナウイルス(Coronavirus Disease 2019:以下,COVID-19)患者における入院によるフレイル進行と予後の関連を明らかにすること。
【方法】 COVID-19の診断でリハビリテーションを実施した349例(年齢83.5±9.3歳,女性43.3%)を解析対象とした。Outcomeは全死亡,全再入院,および全死亡+全再入院の複合とし,傾向スコアを用いた逆確率重み付け(Inverse Probability Weighting:以下,IPW)法を適応しKaplan-Meier生存曲線分析およびCox比例ハザード分析を実施した。さらに,入院前フレイルの重症度で層別化しサブグループ解析を実施した。
【結果】 全死亡(Log-rank: p=0.55, weighted Hazard Ratio(wHR): 0.94, 95%Confidence Interval(CI): 0.34 to 2.64, p=0.91),全再入院(Log-rank: p=0.35, wHR: 0.69,95%CI: 0.36 to 1.33, p=0.27),全死亡+全再入院の複合(Log-rank: p=0.34, wHR: 0.74, 95%CI: 0.40 to 1.38, p=0.34)に有意差は認められなかった。サブグループ解析ではmoderately frailにおいて全死亡(Log-rank:p=0.03)に有意差が認められた。
【結論】 moderately frailのCOVID-19患者において,入院によるフレイル進行と全死亡リスク上昇の関連性が示唆された。
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