ビスピリバックナトリウム塩の安全性を評価するために各種毒性試験を実施した. 本剤の急性毒性は, いずれの投与経路においても低毒性であった.
眼および皮膚刺激性試験では, 原体では無刺激性であったが, 3.0%液剤でそれぞれ中等度および軽度の刺激性が認められた. 皮膚感作性は原体の Maximization 法で陽性と判断されたが, Buehler 法および3.0%液剤では陰性であった.
マウス, ラットおよびイヌにおける亜急性または慢性毒性/発癌性試験では, 高用量投与群で体重増加抑制や, 血液学および血液生化学検査項目に変化がみられ, 主として肝と総胆管に病理所見が観察された. 発癌性はなかった.
繁殖に対する影響および催奇形性は認められなかった.
突然変異については, 試験結果はすべて陰性であったことより問題はないものと考えられた.
薬理試験では高用量で中枢神経系, 血圧に対する影響が認めちれた.
ビスピリバックナトリウム塩は定められた使用方法および注意事項を遵守することにより, 安全性を確保できる有用な農業資材である.
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