症例は77歳の女性. 微熱の精査のため施行した胸部レントゲンで両側肺門縦隔リンパ節腫脹 (以下BHL) を認め入院となった. 血清ACE, リゾチーム高値, ぶどう膜炎の存在, ツ反陰性, ガリウムシンチグラフィーでの縦隔肺門部の高集積の所見より
サル
コイドーシス (以下サ症) が疑われた. 77歳と高齢で心筋梗塞の既往もあるため, 経気管支肺生検は施行せず, より侵襲の少ない気管支肺胞洗浄 (以下BAL) を施行した. BALで総細胞数3×10
5/m
lと増加, リンパ球比率33.2%, CD4/CD8比24.5と高値を示し臨床的にサ症と診断した. 本例は入院の約6カ月前の胸部レントゲンではBHLは認めず77歳と高齢での発症が確認されたサ症の1例であった. 従来の報告ではサ症の高齢発見例は少なくないが, 高齢での発症が確認された例は比較的稀であり報告した.
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