高度経済成長期以降の経済中心社会は会社人間を作り出し、地域における人のつながりは崩壊し、親子関係の希薄さをも生んだ。さらに少子化は、子どもと大人の交流だけでなく、子ども同士の交流をも減少させた。このような社会環境により、子どもの社会性は失われた。本実践は、子どもが社会性(社会適応力)を取り戻すにとどまらず、よりよい社会を作り上げようとする実践力(社会力)を育てることを目指している。その手段として福祉を題材にし、子どもたちと高齢者や障害者という自分と違う環境で生活する者との継続的交流を柱にした。その交流を通し、他者認識力や共生意識を養いながら、社会問題に目を向け、改善のためにできることを考えさせるようにした。また、継続的交流と保護者の協力を可能にするために、インターネットの利用を考えた。
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