2014年10月1日、安城市内を縦横に走るコミュニティバス「
あんくるバス
」が、装いと路線を一新して運行を開始した。「
あんくるバス
」は2000年に名古屋鉄道が名鉄バス安城・高棚線の廃止を表明したことから、安城市がその運営を引き継ぐかたちで運行が開始された。その後、幾度かのルートの変更・拡充を経て現在に至った。利便性を諮るべく改変を重ねた結果、その路線(ルート)は市内循環線を含む10系統にまで拡大したが、多くの路線が重複する区間が出現するなど、その煩雑さ・複雑性もまた拡大することとなった。安城市では、そうした運行上の問題を解決すべく路線の見直し・整理を検討し、2本の市内中心部循環線(右回り・左回り)を軸に、そこから市内各所へ放射状に延びる9系統の地域線を設定することとなった。市内住民のみならず外部からの旅行者等にとっても利用価値・利便性が向上することが期待されている。愛知県立芸術大学デザインラボでは、安城市都市計画課の依頼を受け、この大幅な運行計画の見直しに伴う「コミュニティバス総合デザイン計画」を官学連携の受託研究として取り組むこととした。その成果を報告する。
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