【目的】保健理療科における生徒の国家試験の合否の状況および不合格者の進路状況を
把握し、今後の保健理療科の在り方を検討するための基礎資料を資することを目的に
行った。
【対象】2002年度~2011年度に視覚特別支援学校(盲学校)58校の本科および専攻
科保健理療科を卒業した生徒。
【方法】調査票は選択式とした。調査項目は、①属性、②国家試験に関する項目、③不
合格者に関する項目。調査票は選択式とし、送付・回収は、郵送および電子媒体で行っ
た。有効回答数1,498件に対して、集計および統計処理を行った。有意水準は5%と
した。
【結果】国家試験の合格率は75.8%であった。卒業課程別では、本科保健理療科
69.1%、専攻科保健理療科80.6%で有意差(p<0.05)がみられた。卒業時、国家試
験が不合格であった者のうち、72.2%が再受験した。なお、再受験者の平均合格率は
49.6%であった。卒業課程別では本科保健理療科46.4%、専攻科保健理療科52.7%
であった。累積不合格者数は、243人であった。国家試験受験断念者の現在の生活状
況は、約半数が家族や年金、生活保護費による収入に依存していた。
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