本研究では、都市公園における音の要素を抽出し、印象評価の違いを分析することで、都市公園の環境演出をおこなう上で基盤となる音の特性を把握することを目的としている。名古屋市の久屋大通公園を研究事例として
1)定点観測調査により久屋大通公園中の12広場において音を収集し、久屋大通公園に存在する音のデータ化をおこなった。
2)データをもとにクラスター分析をおこない、3つの類型を抽出した。
3)類型化された3つの代表的な広場の音源を使用し、地区把握者と非地区把握者に対して音聴取心理実験をおこない、3広場の印象的な音の把握とSD法による印象評価をおこなった。
4)印象評価の結果をもとに因子分析をおこない、「快適」因子、「美的」因子、「喧噪」因子の3因子を抽出した。
5)因子得点をもとに分散分析をおこない、音の美しさという点において属性間の評価の差が明らかになった。さらに因子得点の布置図をみることにより、広場ごとの評価特性を明らかにした。
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