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  • 杉山 武志
    経済地理学年報
    2020年 66 巻 4 号 299-323
    発行日: 2020/12/30
    公開日: 2021/12/30
    ジャーナル フリー

        本稿の目的は,大都市圏経済の支柱的役割としてのコミュニティ経済の論点を「まちづくり」論との対比のなかから整理し,「街」の経済地理学の視角を提供することにある.
        本稿では,次の2つを主な論点とした.1つは,大都市圏経済のプレゼンスを強化しようとする「都市再生」の文脈で,「まちづくり」と別種の〈まちづくり〉 が現出してきている懸念である.特に,エリアマネジメントと密接にかかわりつつある「まちづくり」論が,「街」のコミュニティ経済を語る限界に達している可能性を示唆した.もう1つは「まちづくり」論の代替的着想として,公共的な空間への動きを抑制するコミュニティ経済論の可能性への探究である.コミュニティ経済論の基軸としては,起業家,サービス経済やサブカルチャーの担い手を包み込む適度な開放性,寛容性,包摂性あるコミュニティの形成とアイデンティティの共有が重要となる.
        一方,コミュニティ経済も〈まちづくり〉 の侵食に伴い,その街らしさとともにかき消されてしまう不安も拭えない.そのようななか,グローバル経済を内包する公共が強化された〈まちづくり〉 という企てを克服し,身近な街の暮らしやなりわいのためのコミュニティ経済を大都市圏経済の支柱として育む「街」の経済地理学の深耕が待たれているのではないかと提案した.

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