本稿の目的は、「ニュースポーツ」やサーフィン、スノーボード、スケートボードなどの「ライフスタイルスポーツ」に注目し、これらがスポーツツーリズムの資源として可能性があるのか、否かを検討することにある。本稿執筆中の2019年9月、ラグビーワールドカップが日本で開催された。また、2020年には、東京オリンピック・パラリンピックが開催され、2021年にはワールドマスターズゲーム関西が開催される。まさに、この3年間は「ゴールデン・スポーツイヤーズ」(間野, 2015)と称されている。しかし、当然のことながら、このような国際的なスポーツメガイベントが定期的に日本で開催されるわけではない。それゆえに、私たちは「ポスト・ゴールデン・スポーツイヤーズ」のスポーツツーリズムを構想する必要に迫られている。しかも、このような課題に応えるには、スポーツツーリズムの資源となる「スポーツ」の検討が求められている。まさに、スポーツツーリズムの資源としての「スポーツ」を問い直すことは、近代スポーツへの批判やオルタナティブの提示となるとともに、インバウンド頼みのスポーツツーリズムへのオルタナティブの提示とも関連すると思われる。
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