佐渡はシイタケの生産が盛んで,新潟県における乾シイタケ生産の約90%を占める.しかし,農業従事者の高齢化による後継者不足,原木の大径化などにより,1992年以降生産量は減少傾向にある.佐渡の活性化を図る方策として,乾シイタケの栽培技術および生産流通体制の課題を把握し,適切な対策を講じることが重要である.本研究では佐渡全域における乾シイタケ栽培の実態把握を目的として,生産者の栽培技術および作業環境について調査した.さらに,生産量減少の要因を明らかにすることで,佐渡の乾シイタケ栽培における問題点を解決する対応策を検討した.調査の結果,佐渡では単収・品質を度外視した放置的な栽培が行われており,その原因として過去の指導体制と技術受容の問題が指摘された.そこで,栽培技術の確立を通じて新規参入者や後継者の育成を目的とする,佐渡地域に密着した栽培マニュアルの骨子を作成した.
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