本稿の目的は,日本においてC to Cのマッチングプラットフォームを通じて提供される家事代行やベビーシッターなどの対面サービスの可能性とリスクについて考察することである。このようなプラットフォームは一見,女性の無償労働を減らす解決策かのように見えるが,2020年前後に複数の性被害事件が起こっている。本稿はこれらの事件についてジャーナリストとして詳細を報道した際の取材内容や執筆記事をもとに,サービスの構造上,質の保障が難しいことを指摘し,特に子育て関係における政府の役割の重要性を論じる。
抄録全体を表示