過去10年間に当科を受診した喉頭癌患者138例について検討した。部位別では声門癌が50%, 声門上癌が44.9%, 声門下癌が5.1%であった。治療は放射線根治照射, あるいは術前照射と喉頭全摘術を中心に, 必要に応じて化学療法を加えるというもので, 病期別の5年生存率はstage Iが100%, stage IIが73.4%, stage IIIが69.3%, stage IVが55.3%であった。部位別の5年生存率は声門癌が91.0%, 声門上癌が51.9%, 声門下癌が100%で, 今回検討した全症例の5年生存率は75.1%であった。症例の背景と転帰を統計的に処理し, 生存率を低下させる因子について詳細に検討した。
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