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クエリ検索: "ふたりの証拠"
1件中 1-1の結果を表示しています
  • 山岸 明子
    医療看護研究
    2015年 11 巻 2 号 42-49
    発行日: 2015年
    公開日: 2025/03/17
    ジャーナル フリー

     アゴタ・クリストフの「悪童日記」の三部作から、主人公の双子の生育の過程やそこでの経験が彼らの対人関係の持ち方や対人的枠組み(内的作業モデル:以下IWMと略)に及ぼす影響を、著者がどのように描いているかについて、発達心理学の観点から検討を行った。穏やかな暖かい家庭でごく普通に成長していた双子が、4才の時に破滅的な事件に遭遇し、突然愛着対象を失い、いつも一緒に過ごしていた双子の相手とも離されて、全く見知らぬ世界で生きることになる。二人は事件によって同様のトラウマを受けたが、その後に置かれた環境や対応のされ方が全く異なったため、児童期のIWMや心理的発達はその影響を受けて大きく異なること、思春期以降そのIWMがどう変化するかは出会う人や置かれた環境によって変わることが示された。著者アゴタ・クリストフは作家としての直観と洞察により二人の人生を描いたが、それは発達心理学の理論・用語で説明でき、その知見に沿うものであることが示された。

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