源氏物語「若菜上」巻における蹴鞠の場において柏木は女三の宮を垣間見するが、その蹴鞠は「つれづれ」を口にする光源氏によって招致されたものであった。この「つれづれ」を口にする光源氏のあり方について、源氏物語を「神の子」としての光源氏や「水の女」としての女三の宮といった視点から把握しようとする高崎正秀の諸論をたどりつつ考察し、源氏物語と対峙する高崎の論が志向するところに顕現する物語のありようを論じた。
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