腹水貯留を主訴とした
アラスカン
・
マラミュート
(6ヵ月齢, 雌) において, 複合心エコー検査により重度の肺動脈弁下狭窄, 中等度の三尖弁逆流, 軽度の大動脈弁下狭窄および軽度の大動脈弁逆流が明らかにされた. 臨床症状発現に最も大きく関与しているのは漏斗部狭窄をともなう重度の肺動脈弁下狭窄であると判断されたので, 肺動脈用イノウエ・バルーン・カテーテルによるバルーン肺動脈弁形成術を実施したところ, 腹水の貯留は緩慢となり, quality of lifeは改善し, 術前102mmHgであった右室肺動脈間圧較差は, 術後18ヵ月でやや高値 (60mmHg前後) を示しながらも安定している.
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