大規模な災害とそれによる犠牲者が発生した場合には,被災コミュニティに慰霊・鎮魂や復興を願うモニュメントが建立されることがしばしばある.本研究では,東松島市震災復興モニュメント検討委員会における震災モニュメントの検討プロセスの参与観察やプロセス中に出された委員の意見の分析を通して,プロセスの全体像やそこに見られる知見を明らかすることを試みた.その結果は,1) 検討委員会においては15の視点があったこと,2) モニュメントを検討する上では,設置場所・周辺の環境や管理の方法が主要な関心事になること,3) 提案モニュメントの選定において,参画した市民が大きな影響をもっていたことが明らかになった.
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