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  • テレビにおける美化語の分析から
    滝島 雅子
    待遇コミュニケーション研究
    2020年 17 巻 1-17
    発行日: 2020/02/01
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー

    「美化語」とは敬語の5分類の1つで、主に敬語接頭辞の「お(ご)」が名詞に付いたものを言い、文化庁の「敬語の指針」では「ものごとを美化して述べることば」とされている。しかし、その様相は個人差・男女差・場面差があり、非常に複雑でわかりにくい。敬語接頭辞の先行研究は多岐にわたるが、語彙的研究が中心で、実際のコミュニケーションにおける機能や意識はまだ十分に明らかになっていない。そこで本研究は、実際のコミュニケーションの1つのケーススタディーとして、テレビの情報番組で使われる美化語に注目し、それぞれの場面で美化語がどのような意識で使われ、また、受け止められるのかについて、待遇コミュニケーションの枠組みを援用して分析を試みる。コミュニケーション主体(表現主体および理解主体)へのインタビューを通して、美化語の意識を分析することで、日本語のコミュニケーションにおける美化語の様相を明らかにし、日本語学習者の学びにつなげていくことを目的とする。

    調査は、①テレビ番組における美化語の抽出、②美化語の表現主体(発話したアナウンサー)へのインタビュー、③美化語の理解主体(視聴者)へのグループインタビューという3段階で行い、滝島(2018)ではインタビュー結果のコーディング分析により、表現主体・理解主体それぞれの美化語の意識が示された。本稿では、それぞれの意識を具体的な場面で詳細に分析することで、美化語の表現主体と理解主体の意識の精緻化を試みた。美化語を、「誰が誰に対して、何を、どんな場面で伝えるのか、あるいは、受け止めるのか」という待遇コミュニケーションの観点から観察することによって、表現主体・理解主体双方の多様な使い方・受け止め方が明らかになった。今後は、こうした多様な美化語のありようを踏まえた上で、日本語学習者が自己表現として主体的に美化語を使えるようにするための具体的な学習プランを考えていくことが課題である。

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