筆者はここ数年,児童と地域との交流手段としてインターネットを活用する実践を継続してきた。この実践を通して,メール・掲示板などを利用した際に,自分の意見や疑問,質問を的確に表現し相手に伝えることができない児童が多数いるという事実に気づいた。そこで,インターネットを活用して自分の意見や疑問を的確に相手に伝え,話し合いをすることができる能力を系統的に育成する方法を研究した。その結果として完成したシステムが実践に用いた「オンラインディベートシステム」である。本システムを利用した実践は2年間で4回,八王子市内の5つの小学校の児童と教員,保護者が参加した。2年間の授業実践を通して,「論理的に考え,表現する」ことがコミュニケーション能力の基礎であり,Nonverbal communicationが介在しないネット上では特に重要であること,その下位能力がどのようなものかを考察をすることができた。
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