徳島県では、江戸時代から木工が盛んであった。明治末ごろから本格的に始まった阿波鏡台の製造は、西日本を中心に広がり、静岡と並んで鏡台の2大産地と呼ばれるようになった。1966年には大手薬品会社のグループ産業として大塚家具工業株式会社が家具製造に参入する。その3年後、大塚家具工業株式会社の椅子作りの下請けから宮崎椅子製作所が創業する。阿波鏡台に始まる徳島の家具製造業の発展には、工芸指導所や地場産業振興協会、さらには徳島県木竹工業協同組合連合会による協力が重要であったと、筆者は考える。
宮崎椅子製作所は、現在、そのデザイン性の高さと製造技術の確かさにおいて、全国的に注目を集めている家具メーカーである。本発表では、宮崎椅子製作所での調査を報告し、家具メーカーの現在を考察する。
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