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クエリ検索: "ウィリアム・A・サイター"
3件中 1-3の結果を表示しています
  • 新城 大地
    映像学
    2025年 114 巻 40-57
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/09/25
    ジャーナル フリー

    『若草の頃』(ヴィンセント・ミネリ、1944)は、ミュージカル映画の主流がバックステージものから「統合された」ミュージカルへと移行する契機となった作品であり、同時に後者の理想的な例として高く評価されてきた。しかし他方では、そのイデオロギー的な、とりわけジェンダー表象の問題も指摘されている。主役となるスミス一家の女性たちの恋愛に対する能動性が描かれながらも、それが異性間の婚姻を前提としたものであるために、結局は父権制の再生産へと回収されてしまうのである。本稿は、本作のミュージカル・ナンバー「オーバー・ザ・バニスター」(Over the Bannister)を分析することで、次女エスター(ジュディ・ガーランド)が意中の青年にはたらきかけるこのシーンの潜在的な抵抗性を明らかにする。そしてこの時注目するのが、彼女の足元にある舞台装置、すなわち階段である。多くの指摘がある通り、映画の階段とは伝統的に女性をメイル・ゲイズの客体として「陳列」する装置であり、この定型表現は、20世紀初頭にブロードウェイで人気を博したレヴュー、ジーグフェルド・フォリーズから、トーキーの導入を経てバックステージものへと引き継がれていく。『若草の頃』を階段によるスペクタクルの歴史という文脈に置き直す本稿では、エスターの抵抗性を、そうした定型表現を逆手に取り、階段におけるジェンダー構造を転覆した例として評価する。

  • 韓 瑩
    映像学
    2025年 114 巻 58-77
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/09/25
    ジャーナル フリー

    香港女優李菁はわずか17歳の時、映画『魚美人』(高立、1965年)の優れた演技により、第12回アジア映画祭で主演女優賞を受賞した。約20年間にわたり、様々なジャンルの70本以上の映画に主演した。彼女の代表作である『珊珊』(何夢華、1967年)は、香港、台湾、シンガポール、韓国など、いわゆる冷戦期の「自由アジア」で大ヒットを記録することによって、彼女が「アジア女優」として認められる契機となった。本稿は、こうした李菁の身体表象に焦点を当て、冷戦期において彼女がいかにして「アジア女優」として構築されたかを考察するものである。

    本稿は3つの節で議論を展開する。第1節では、アジア映画祭における主演女優賞の受賞経緯を分析し、李菁が「アジア女優」としての地位を確立するに至った歴史的・文化的背景を明らかにする。第2節では、新聞・雑誌資料の調査をもとに、李菁の国際的な映画活動に注目しつつ、映画作品における李菁のイメージが持つ越境性について考察する。第3節では、『珊珊』を詳細に分析し、彼女の身体表象が映画の中でいかに表現されているかを読み解く。最終的に、政治的に複雑な状況下にあった冷戦期「自由アジア」において、「アジア女優」という存在がいかにして成立したのかを明らかにする。

  • *有森 由紀子
    日本映画学会大会報告集
    2015年 11 巻
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2024/03/25
    会議録・要旨集 オープンアクセス
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