背景:脳ドックで正常所見といわれた受診者に対して,将来脳血管障害となる可能性があることを理解させることは難しい.そこで,これまでの検査データベースと比較させることによって,脳血管障害の危険性を説明できるコンピューターソフトウエアを新たに開発した.
方法:脳ドック受診者2,023人のデータを分析した.項目は,頭部magnetic resonance imaging (MRI),血液検査,尿検査,血圧である.これらのデータから脳血管障害罹患率を示すグラフを作成した.
結果:データ分析から2種類のグラフを作成した.7種類のパラメーター,年齢・creatinine(CRN)・uric acid(UA)・red blood cell(RBC)・収縮期血圧・C-reactive protein(CRP)・尿糖,および2種類のパラメーター,年齢・収縮期血圧を用いてスコアとグラフを作成した.スコアは6つのカテゴリーに分類した.悪いカテゴリーに分類されると,脳血管障害の罹患率も高くなった.
結語:今回新しく開発したコンピューターソフトウエアにより作成したグラフで,脳ドック受診者に脳血管障害の危険性について示すことができた.受診者はたとえ今回の結果が正常であっても,脳血管障害の起こる可能性があることを理解することができた.このソフトウエアによって,脳血管障害の危険性を再認識させることに貢献できる可能性がある.
抄録全体を表示