本研究は、(1)マラウイ南部における地下水の微量元素組成とSr同位体組成に関する地球化学図の作成および(2)基盤岩類の岩石の全岩化学分析から岩石からの地下水への寄与を明らかにすることが目的である。
マラウイ南部において、20平方km毎に1か所の井戸を選定し、地下水の採取を行った。地下水採取の際、水温、水素イオン濃度指数(pH)、電気伝導度、酸化還元電位(Eh)を測定した。採取した地下水は、秋田大学の四重極型誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)(Agilent 7700)で微量元素分析を行った。その結果、過去の限られた研究においてマラウイの地下水はpHが6.3-7.1の範囲を示しほぼ中性だとされていたが、本調査で得られた地下水のpHは5.3-7.2の範囲を示し、特に基盤複合岩体の露出地域ではpHが5.3-7.1と低い値を示した。また、第四紀堆積物の露出地域の地下水は、他の地域に比べ、ほぼ全ての微量元素濃度で高い値を示す。
抄録全体を表示