しょ糖を糖質源としたコレステロール (Chl) 飼料負荷ラットを用い, Chlの体内分布ならびに排泄に及ぼす各種栄養条件の影響を検討した。
1) しょ糖-Chl飼料を摂取させたラットの血清, 肝Chl値は, 飼育4日目ですでに著しく上昇することが判明した。
2) しょ糖はでん粉より血清, 肝Chl値を上昇させたが, 糞へのChlの排泄及び乾燥糞重量は減少した。大腸内容物のChl量には糖質源の差異による影響は認められなかった。
3) 糖質源と他の食餌因子との交互作用は, 糞Chl量において糖質と脂質の間て認められ, しょ糖を用いると大豆油群がラード群よりChlの排泄が増加し, でん粉を用いるとラード群で増加した。
4) 脂質源を変えた場合, ラードは大豆油より血清Chl値を上昇させたが, 大腸内容物のChlやChlのみかけの排泄率は大豆油で増加した。
5) しょ糖-Chl飼料で上昇する血清や肝Chl値はコンニャク精粉 (Kf) の添加により抑制され, 特に肝臓において顕著であった。また, でん粉-Chl飼料でもKfにより同様の結果が得られた。糞のChlはKfの添加により減少したが, 大腸内腔に貯留しているChlは著しく増加した。
6) 血清と肝Chl値は飼料中脂質源とKlfの有無により多様なレスポンスを示した。
7) しょ糖-Chl飼料は, 血清, 肝Chlのプールサイズや糞へのChl排泄量を変動させたが,
カーカス
のChl量にはChlと胆汁酸塩負荷の影響はまったく観察されなかった。でん粉を糖質源としても同様であり, また脂質源を変えあるいはKfの添加でも同様な結果を示した。
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