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クエリ検索: "ガラスの成形技法"
2件中 1-2の結果を表示しています
  • 中空立体造形制作における糊の比較実験
    加藤 千佳
    芸術工学会誌
    2021年 82 巻 22-29
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/05/01
    ジャーナル フリー
     本研究は、ガラス素材の表現の幅を広げるための技法の開発を目的としている。現代の「工芸」とよばれる分野の評価基準は明確ではない。造形の自由によって、「用の美」だけでなく、「鑑賞の美」が評価される現代の「工芸」の中で、ガラス工芸の分野における、技法開発を行うことで、表現の幅を広げることができると考えている。本研究は、ガラス工芸の技法の中で、窯を使用し造形表現を行うキルンワークでガラスの中空立体形状を実現させるために糊の実験を行ったものである。  実験方法は、60mmの球体ガラスを88個制作し、その結果を考察した。糊は、カルボキシメチルセルロース(CMC)、モデリンググラス(購入先ロペックスインターナショナル株式会社)、木工用ボンド/家庭用(小西株式会社)、重曹(レック株式会社)の4種類を使用した。分量によっても変化があると推測し、5段階もしくは6段階実験を行った。また、ガラスは焼成温度の違いでも、大きく変化がある。そのため、今回の実験では、フュージング技法の温度帯の中で低温度680℃、低温度と高温度の中間温度740℃、フュージング技法とキャスティング技法の中間温度800℃、キャスティング技法の温度860℃の4段階の温度帯で実験を行った。   実験の結果は、88個中43個において、生じた穴の面積が表面積が、1%未満に収まる中空立体形状が実現した。穴の総面積を10%まで許容すると62個実現した。成功率が高かった糊の種類は、カルボキシメチルセルロース(CMC)と木工用ボンドであった。木工用ボンドは、焼成糊の分量、温度関係なく成功個数が最も多く、表面積10%以上、37.5%未満、表面積が37.5%以上または形状が保たれていないものが0個であったことから、木工用ボンドが最も中空立体形状の成功率が高いことがいえる。また、結果からモデリンググラスと重曹は中空立体形状に適さない糊であることがわかった。この実験から、カルボキシメチルセルロース(CMC)と木工用ボンドを糊として使用することによって、中空立体形状は実現できるといえる結果となった。吹きガラスで作るような空気層を封印する空洞形状はできないもの、若干の穴を許せば、それに準じた立体形状を作ることは可能であることがこの実験でわかった。
  • ガラスと磁器の作品制作における熔着実験
    加藤 千佳
    芸術工学会誌
    2022年 84 巻 4-11
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/03/31
    ジャーナル フリー
     本論文は、熔着という技法に着眼点を置き、ガラスと磁器の熔着において貫入、剥離が最も少ない条件を明確することを目的とした。実験方法は磁器との熔着を行うために、50mm × 50mm 厚さ7mm の磁器板の上に、板ガラス40mm × 15mm 厚み6mm、カレット8g の2 種類のガラスを乗せ、窯で焼成を行った後、貫入確認と剥離確認の結果を比較する。実験項目は、磁器板の凹凸、釉薬の有無、上絵の具の有無、上絵の具の鉛の割合を比較するために12 項目、焼成温度は4 段階に設定した。確認方法として、石川県工業試験所九谷焼技術センターで行われている形式を用いた。実験結果から、今回の目的である貫入、剥離が全く見られない条件は導き出すことができなかった。しかし、貫入と剥離を緩和できる条件は確認できた。釉薬と有鉛上絵の具を使うことで、目的である貫入が全く入らない条件はできないが、それに近い表現が可能であるという結果が得られた。
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